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DX推進の目的化やツール依存症……ブレインパッドが語るAI/データ活用で頻発する症状と処方箋

デジタル施策でリアル価値を追求、なぜ取り組むかを明確に

 近藤氏は、これらの症状に陥ることなくDXを推進するためのヒントとして、とある大型商業施設の成功事例をあげた。収益源は来店客による商品の購入というビジネス特性を軸に、デジタルをどう組み込むことが価値の向上につながるのか、施策についての綿密な検討を重ね、「デジタルの直接・間接の貢献効果を可視化すること」「分断したデータを統合する“シングルカスタマビュー”を追求すること」「来場前、来場中、来場後に紐付けたデータ分析を行ない、結果に基づいたコミュニケーションを徹底すること」などをポイントとしてあげた。

 効果検証についても、デジタル施策でありながら成果検証はデジタルに終始せず、リアルでの成果をKPIとして見つめ続けた。来店客の各種行動データをクラウド上のストリーミングデータ処理にかけ、蓄積されたデータとIDを統合し、集客コミュニケーションにつなげる「リアルとデジタルの融合による施策」は大掛かりな戦略設計であり大変先進的だ。経営陣にもこのプロジェクトがビジネスKPI(リピート率、年間LTV)に寄与するものだと理解された。近藤氏は「このプロジェクトの素晴らしい点は、システム構築以上に、『なぜその施策を行うべきなのかをデータで立証』しファクトを示すことで、データリテラシーが低い人たちにも状態を理解してもらい、高い解像度で共通解を求めようとする姿勢であった点。そして、あらゆるところで、まだ見ぬ課題についての仮説を立てて検証を行い潜在的な課題をあぶり出そうとしている点だ」と評した。

 ただし、こうしたデータ活用ができたのも、事例顧客の姿勢に加えて、ブレインパッドのデータサイエンティストの能力とマンパワーがあってこそとも言える。ここまでデータ活用に集中して取り組める会社は多くないだろう。はたしてデータサイエンティストが不在の場合はどうしたらいいのか。近藤氏は「“データ分析の第一歩“が踏み出しやすくなる時代に突入した」と話す。データ分析の民主化が進んでいることも話題にあげた。拡張分析とよばれる新たな概念では、回帰分析を用いて要因を特定し、分析したいテーマを自然言語で指定、その結果を日本語で出力するようなサービスの登場など分析トレンドを紹介した。なお、ブレインパッドからも2019年夏に“BI+AI”を用いた拡張分析領域の新製品「BrainPad VizTact」が登場している。

 そしてもう一つ、民主化に向けた取り組みとして、「データサイエンス職の育成」が紹介された。各企業の人事部と連動し、社員研修や昇格制度への組み込みなどの人事戦略面とデータ活用を連動させる取り組みも増えていることを述べた。日本には未だ1%しかいないというデータサイエンティストを増やす取り組みだけでなく、モデル・ツールを活用した解析ができるシチズンデータサイエンティストや各現場でデータ基盤整備や基礎集計が可能なインフォメーションアナリストなどの支援を通じ、社内に“データを触れる人”を増やしていく。

 最後に近藤氏は「DXの推進には“本質的な目利き”がポイントになる。AIやデータ分析などのバズワードに惑わされることなく、『本来何をすべきか』というビジネスの原点回帰を行なうことが大切だ。ITの進化に伴い、いろいろなツールがでているが、ツールはあくまで手段であることを忘れてはならない。ツールで『楽になる』ことだけではなく、『何のために』また『誰のために』ツールを使うのかを考えることが求められる時代になる」と語り、締めの言葉とした。

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この記事の著者

伊藤真美(イトウ マミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ビジネスやIT系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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