データドリブンを実践しているのはスタートアップ企業だけではない
いまや、企業にとってデータがもっとも大事な資産と言っても過言ではない。経験や勘ではなくデータ資産を使い、ビジネスの意思決定の判断材料の1つとする。それがデータドリブン・ビジネスだ。その実現にはビジネスプロセスをデジタル化し、そこから生まれるデータを分析できるようにしなければならない。そして分析から得られた知見を「業務に組み込み、業務を変えるところまでやります。あくまでも業務を変えることが目的です」と立山氏は言う。
![講演資料より掲載、以下同](http://ez-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/12633/12633_fig01.png)
ただこういった取り組みは、ベンチャー企業だからこそできると言われがちである。しかしながら、長くビジネスを行っている大企業でも可能だと立山氏。既にビジネスを行っている企業では、デジタル化で既存ビジネスの無駄をまずは削減する。それで生まれたリソースや時間などの余裕分を、新たなイノベーションに回すのだ。
![日本オラクル株式会社 Autonomous クラウド事業統括 ソリューションエンジニアリング本部<br/>戦略クラウドソリューション部 プリンシパルソリューションエンジニア 立山重幸氏](http://ez-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/12633/12633_tateyama.jpg)
戦略クラウドソリューション部 プリンシパルソリューションエンジニア 立山重幸氏
こういったアプローチで実践している企業は、イノベーションを起こし成功しやすい。たとえばレンタカー会社のハーツではOracle Databaseを用い、貸し出している高級車をセキュアかつ効率的に管理する仕組みを構築した。この仕組みを活用して、まずはコスト削減を実現。それだけに止まらず、顧客の取り引き履歴やこの仕組みから得られる高級車のリアルタイムな在庫状況の情報を連携させ、貸し出し業務を行うオペレーターが優良顧客にタイムリーに高級車へのアップグレードなどを提案できるようにしたのだ。このようなデータ活用で、顧客満足度が向上し、ハーツの新たなビジネス変革につながっている。
![](http://ez-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/12633/12633_fig02.png)