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ガートナーに訊く企業のコンテナ活用の今後(前)── 企業のKubernetes活用の課題とは?

edited by DB Online   2020/03/23 08:00

米国とのコンテナ活用状況の差はまだまだ大きい

 日本の大企業でコンテナを活用する事例が出てきたとは言え、日本と米国でのコンテナ利用状況には大きな差があるのも現実だ。昨年ガートナーが米国で開催したイベント参加者へのアンケート結果によれば、コンテナを既に本番環境で利用している割合が36%、これにPoCなど試用している、さらに何らか採用の計画を持っていると答えた結果を合わせれば、米国でのコンテナ利用の意向は80%を超える。

 つまり米国では既に、何らかの形でコンテナを使うのが当たり前となっているのだ。対して日本は「まだまだコンテナが使えるかどうかの議論をしている段階です。ここには大きな差があります」と桂島氏は指摘する。国内にも一部先行的に活用を始めた企業がいるものの、米国などと比べるとコンテナ活用状況には大きな差があるという。

 このような差が生じるのは、ITシステムの開発、運用をSI企業に依存しがちな日本独自の環境によるものなのだろうか。たとえば昨年12月にRed Hatは、国内パートナー企業とOpenShiftをマネージドサービスで提供するための協業をすると発表した。オープンソースソフトウェア・ベースのKubernetesを、ユーザー企業が自前で運用するのは難しい。その課題を解消するために、Red Hatではエンタープライズ向け機能やサポートを追加したOpenShiftを提供している。

 とはいえそのOpenShiftでさえも、日本の企業が自前で導入し運用するのは簡単ではない。そのため、SI企業などがマネージドサービスの形で提供することで、ユーザーの敷居を大きく下げてOpenShiftの利用拡大を図る取り組みをRed Hatは行うわけだ。このような手厚いサポートがなければ、なかなか国内でのコンテナの普及には至らないことの表れても捉えられる。

 しかしながらコンテナやKubernetes、さらにはOpenShiftのマネージドサービスのニーズは日本だけではないと桂島氏。マネージドサービスを採用する比率は、米国などより日本のほうが高くなる可能性はある。しかし、日本でのコンテナ利用のボトルネックは、前述のようにコンテナを使うべきニーズが見えていないことのほうが強い。「そこが見えてくれば、かなりの割合でコンテナを採用することになるでしょう。ニーズさえ出てくれば、SI企業は喜んでコンテナ環境の構築をするはずです」と指摘する。


著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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