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加藤恭子のエンタープライズIT業界の歩き方

IT業界で生き残るために英語は必須、効果的な学習法とオススメのツールはこれ!

連載第4回

 IT関連のメディア記者を経験し、エンタープライズIT系のベンダーを経て、PR会社ビーコミ社長としてB2B系の企業広報を手掛ける加藤恭子のコラム第4回。今回は、エンタープライズIT業界で生き残るための英語の習得法とお勧めのツールを紹介します。

 前回、エンタープライズIT業界、つまりBtoBのIT業界では、英語が必須と書きました。日本企業で働いていてもIT業界では英語で書かれた文献が多く、特に技術用語は大半が英語のため、どうしても英語は必要だといえます。

 では、英語を身につけ生き残っていくためには、どうすればいいのでしょうか。本稿では筆者が使ってきた2つの方法をご紹介します。

 それはズバリ、「様々な学習方法を試し自分に合う学習法を見つけて組み合わせること」と、「ツールを使うこと」です。

 以下は私がここ15年くらいの間に試してきた様々な学習法の一部です。残念ながら私は飽きっぽく集中力が続かないタイプです。ですので、以下の方法を組み合わせて利用してきました。大事なのは「実力測定による苦手分野の洗い出し」と学習(インプット、アウトプット)の組み合わせ、そしてモチベーションの維持です。そのために、異なるタイプの学習を組み合わせたり、細切れ時間を有効活用したり、オンラインレッスンでお気に入りの先生を見つけたりしました。

 まずは、現在の実力測定です。私の場合はTOEICを何度か受験しました。結果を見ると不得意分野を知ることができ、次に何を学習したらいいのかがわかりました。ただ、何度も受けているとパターンがわかってきて、英語力をアップさせるのではなくTOEICの点数をあげることが目的になってしまうことがあり、そうなるとTOEICの点数は上がるのに英語力はあまりあがらないという状況になります。TOEICについては、あくまでも効果測定の手段として活用したいものです。(本末転倒ではありますが、TOEIC対策問題集で対策すると短期間で点数はある程度アップさせられます。もしなんらかの理由で「履歴書に良い点数を書きたい」という場合は、やってみるのもアリかもしれません)

グループレッスンで羞恥心を無くす!

 次に対面の英会話学校です。私はネイティブの先生が少人数に同時に教えてくれる学校を選び、そこに通いました。と言っても週に1〜2回なので、英語がペラペラになるほどには上達しません。よってこの場は「自分が話すアウトプットの場」として活用しました。

 ここで心がけたのは「1対1のレッスンを選ばない」ということです。他の日本人の前で英語で話すことを繰り返すと「日本人の前で英語で話して間違えたら恥ずかしい」という気持ちが払拭されて、英語の会議が辛くなくなりました。実はこの時、「間違えたら恥ずかしいが、それが辛くなくなると会話力はアップする」ことを確信しました。

会社の福利厚生を最大活用

 会社員時代、ERPのA社とIoTソフトウェアのB社では、会社に講師が来て英会話のクラスがあり、参加しました。A社は単に自由に話すようなノリだったのですが、B社のクラスはかなり本格的で、私を含む3名の社員(生徒)に一人のネイティブの講師がつき、プレゼンの練習をしました。言い間違いはプレゼン後に直され、どこを改善したら良いかのレポートまでもらえる本格的なものでした(某大手半導体メーカでお願いをしている英語学校に依頼していたらしいです)。これはかなりきつく、しかも私以外の2名はオーストラリアに留学経験があり、自分より年齢も若く、すごく頑張った印象があります。所属している企業でこのようなサービスがある場合は活用するのがいいと思います。

 また、少し勉強した後に、アイルランドに1週間だけ語学留学もしました。英語だけで1週間生活して自分を追い込む体験です。今はコロナでこうした留学はしばらくは難しそうですが、おさまってきたら、比較的費用が抑えられるフィリピンなどの近場がお勧めです。たった1週間であったとしても、英語だけの生活をすると、非常にアウトプットが鍛えられます。

 NHKラジオの語学講座も活用しました。ラジオがなくてもスマホでも聞けます。様々なレベル感、進め方の講座があるので、いくつかを試して、自分にあっていそうなものを時間のあるときに聞いてみました。テキストを買う方が「お金を払ったんだから聞こう」という気持ちになって、長続きする傾向があるように思いました。

お勧めアプリとオンライン英会話

 また最近有効だと思われるのはアプリです。有料、無料含め、たくさんのアプリが出ていますが、有名なおかつ馴染みやすいのは「DuoLingo」だと思います。継続することでランキングが上がったりする仕組みが取り入れられており、ゲーム感覚で英語学習の継続が可能です。隙間時間での学習に良いと思いました。無料で利用できるので(広告が表示されます&有料サービスへの勧誘も表示されます)、一度インストールしてみることをお勧めします。

 それから会話力の向上や維持に効果が感じられたのはオンライン英会話です。私はDMM英会話、レアジョブ、QQ、その他小規模な会社が運営しているものをいろいろ試しました。一番長く数年継続的に利用したのはDMM英会話です。多くはフィリピン人講師による1回25分の英会話が毎日1回受けられて月額定額、もしくはチケット制という仕組みになっています。何度か値上がりしましたがそれでも圧倒的な安さなので(1レッスンあたり数百円)、利用しない手はありません。オンライン英会話は使っているシステムのUI(最近はSkypeではなく独自サービスで接続するところが増えてきました)、レッスンの予約のしやすさ、教材のレベル感、講師の質、サポート対応などにばらつきがありますので、体験レッスンを含め、いくつかのサービスを試すことをお勧めします。

 また実際に特定のサービスに決定した後は、複数の先生のレッスンを体験し、教え方の合っている人を数名確保し、ローテーションしながら受講することをお勧めします。というのも、1人の先生に絞ってしまうと、その先生の予約が埋まっていることもありますし、その先生が辞めたときにモチベーションが保てなくなることがあるからです。私の場合は、教え方が厳しいものの効果の高い先生と、優しくてフレンドリーな先生を組み合わせて受講しました。先生の中には、エンタープライズIT企業のコールセンターとの副業の方も多く、守秘義務に当たらない範囲での業界ネタなどもすることができて楽しいです。

電子メール、電話会議、文書翻訳、用途別お勧めサービス

 学習法の話が長くなりましたが、ここからはツールについて書きましょう。ここ数年でツールの進歩が目覚ましく、仕事で使う英語をかなりのレベルで補ってくれます。

 まずは電子メール。スペルや文法をチェックしてくれるツールを使っています。複数のツールがありますが私は「Grammarly」をお勧めします。ツールを利用することで冠詞が抜けている、toがない、複数形になっている、スペルが間違っているなどを見つけることができ、英文のレベルが上がります。

 続いては電話会議。これは会議を録音し文字を書き起こしてくれるスマホアプリ、「Otter」がお勧めです。Otterにも間違いはありますが、英語が早くてついていけない、どうも聞き取れない、聞き逃した、というときに文字で見られるのはとても便利です。ある知人はOtterで表示された英文をgoogle翻訳にコピペして、日本語で議事録を作成していると言っていました。Otterは海外のエンタープライズIT企業を取材する記者もよく使っているアプリで、イベントの基調講演の記事を書く際にも活躍しているそうです。Otterはまた自分の発音を修正するのにも使えます。私の場合、LとR、BとVの発音が間違っていることが多く(日本人あるある?)、改善方法を検討中です。

 最後に翻訳です。今まではGoogle翻訳を使っていましたが、ここにきて最強と思われる翻訳サービスが登場しました。その名はズバリ、「DeepL翻訳」です。DeepL翻訳のすごいところは、訳文が非常に自然なことです。とはいえ、たまに間違えますので、そんな時はGoogle翻訳と併用したりもしています。これらをうまく使うことで、英語でしか発信されていない技術資料や記事などもサクサク読むことができます。読んだ記事を自分で噛み砕いて、facebookやTwitterに投稿する習慣をつけても、アウトプットの練習にもなって一石二鳥かもしれません。

 このようにここ数年でサービスの進歩が目覚ましく、様々なツールによるサポートで英語がうまくなくてもビジネスがしやすくなりました。私も、長いこと勉強をしている割には全然英語が上達しないのですが、最近は「英語だけに時間を割けないのでとりあえず今の状態を悪化させない」「ビジネスレベルの意思の疎通ができる状態を保つ」を目標にして、隙間時間に学習を続けています。そして不足している能力はツールの力を借りる、と割り切っています。

 前回も書きましたが、その人が目指すポジションや仕事の関わり方によって必要とされる英語力も変わってきます。もちろん向き不向きもあることでしょう。でも、できない、苦手だと決めつけずにできる範囲で取り組んでみる、うまくツールを利用するなどして、英語を味方につけたいものです。英語は年齢、性別を問わず、とても大事です。

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この記事の著者

加藤 恭子(カトウ キョウコ)

IT記者を経て、ナスダック上場IT企業のマーケティング・PRマネジャーを歴任。 現在は、その経験を活かし、マーケティング・広報のコンサルティングを行う株式会社ビーコミの代表として活動。日本PR協会認定PRプランナー

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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