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泣き寝入りで諦める必要なし ネットへの書き込みは本当に「自由」なのか

 近年ますます影響力を増しているネットへの書き込み。その行為がきっかけで痛ましい事件につながるケースもあります。今回はネットへの書き込みは本当に「自由」なのかについて考えます。

他人を窮地に陥れるネットの書き込み

 先日、テレビドラマに出演していた女子プロレスラーが自殺するという事件がありました。

 番組内での自身の振る舞いに対する非難が、Twitter上に多数寄せられたことを苦にしての行動です。私自身はこの番組を見てもいませんし、書き込みの内容もテレビのワイドショーで断片的に紹介される言葉を知る程度なので詳しいことは正直わかりません。

 ただ“ネットの書き込み”は一人の人間を死に追いやってしまうほどの影響力があります。その影響力を、恐らく書き込んだ本人たちも自覚してないのではないでしょうか。そんな書き込みの恐ろしさを、改めて感じさせる出来事でした。

 この事件は、命を落とした若者に一定の知名度が会ったため、メディアでも大きく取り上げられました。同じように“ネットの書き込み”に苦しむ個人や店舗、法人は、きっと星の数ほど存在することでしょう。このプロレスラーのように死を選ぶ個人、経営の悪化に苦しみ、最悪は廃業に追い込まれる店舗や法人の数は、きっと少なくないはずです。

プロバイダという壁

 それでも書かれていることが事実であるなら、死を望むようなケースは別として、書き込まれた側も多少の納得感や反省もあるかもしれません。しかしこれが事実無根だったり、あるいは、ほんの小さな出来事が拡大解釈されて大問題のように取り上げられたのでは、放置しておくわけにもいきません。裁判を起こして損害賠償の請求くらいしてやろうと考えるのは自然なことでしょう。

 ところが、ここに一つの壁が存在します。それはSNSや掲示板を運営するプロバイダです。Facebook等は例外になるのかもしれませんが、多くのSNSや掲示板は匿名で書き込みをすることが可能です。匿名だからこその自由な発信は書き手にとっては、誰はばかることなく自分の考えを述べることができます。

 社会全体から見ても、書き手が自らの属性に制限されず、帰属する組織や行政等にも気を使うことなく活発な情報発信や意見交換をできる場の存在は、それなりに意義のあることかもしれません。

 そして、これを支えるプロバイダや“管理人”と呼ばれる組織や人は、こうした自由が阻害されないように、書き手の氏名や住所、属性、電子メールなどの情報を開示しません。むろん、犯罪捜査などの際には、協力せざるを得ないのですが、たとえば個人が、ネットの書き込みによって名誉を傷つけられたとして、書き込んだ者の情報の開示を求めても、なかなかこれに応じてくれないのが現実です。

 こうした情報を簡単に開示するようなプロバイダでは、そのプロバイダの人気が一気に落ちてしまうであろうことは、想像に難くありませんので、これはこれで当然のことかもしれません。

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それでも情報開示を求めた裁判の例

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この記事の著者

細川義洋(ホソカワヨシヒロ)

ITプロセスコンサルタント東京地方裁判所 民事調停委員 IT専門委員1964年神奈川県横浜市生まれ。立教大学経済学部経済学科卒。大学を卒業後、日本電気ソフトウェア㈱ (現 NECソリューションイノベータ㈱)にて金融業向け情報システム及びネットワークシステムの開発・運用に従事した後、2005年より20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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