店舗スタッフ支援でWalkMeを導入
道下:現在、カインズでは店にある商品を取り置きして、希望の店舗で受け取れる「CAINZ PickUp」というサービスを全店舗で展開しています。そのプロセスでWalkMeを導入することになった経緯を振り返っていただけますか。
池照:カインズではSalesforce Service Cloudを導入し、店舗の業務改善に関する新しいサービスの開発を進めています。全国の店舗にいるスタッフは約2万人。これから新しいサービスをどんどんリリースする計画ですが、スタッフのシフトを考えても研修が追いつかない。今まではサービスをリリースする度にマニュアルを作成し、店長がマニュアルを見ながら現場に指導をしていました。店長はシステムの専門家ではないので、質問されても答えられない場合もあります。その質問が本部や僕たちデジタル戦略本部に来るので、以前からトレーニングをスケールさせる方法を探していました。
道下:今回「CAINZ PickUp」のガイダンス提供をWalkMeのコンサルタントがサポートしました。5月ごろにご相談を頂いて、リリースまでに要した期間は2週間だったと聞いています。取り置きのサービスを始めた経緯からお話し頂けますか。
池照:2019年11月からパイロット展開を始めました。カインズの商圏は広く、30kmの距離を車を飛ばしてやってくるお客様も少なくありません。遠くから欲しいものがあって来店したのに、目当ての商品が置いてなければ、お客様はガッカリします。一方、サービスカウンターでオペレーションを回そうとすると、多くのお客様が集中した時に対応できるか。せっかく取り置きをしたのに、待ち時間が増えると意味がありません。そこでロッカーを置き、セルフサービスで取り出して、レジまで持っていってもらうようにしようと考えたのです。設置店舗が増えてきたところに、コロナウイルスの感染拡大に直面し、お客様と従業員の安全という観点から重要性が高まりました。そして4月に「CAINZ PickUp」の取り置きサービスが全店に拡大されました。
道下:相談をもらったのはそのタイミングでした。「検索・注文」「メール受信」「受取・会計」のフローで言えば、WalkMeを使っているのは、店舗スタッフが対応する真ん中の在庫確認からステータス更新、メール発信までのプロセスですよね。
池照:店舗スタッフがService Cloudの画面で在庫確認を行う時、問題になったのが、例えばお客様からのオーダーは3個なのに2個しか確保できない場合、どう操作するのかでした。正しい操作は3個とも確保できた時と同じで、「ピッキング完了」の在庫ステータスを選んでもらうことなのですが、それでいいのかと判断に迷ってしまったスタッフが続出しました。そこで、WalkMeでSalesforceの画面の上に何をやるかが一目でわかるメニューを表示し、「一部確保」を含む場合ごとの操作ナビゲーションをするようにし、自動で「ピッキング完了」の在庫ステータスが選択されるように改良しました。