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ユーザー体験を高める「デジタルアダプション」とは──WalkMe 道下社長

edited by Operation Online   2020/02/17 06:00

 売って終わりのパッケージとは違い、売ってから後が勝負のSaaSビジネス。ユーザーが成果を上げるために重要な立ち上がりや現場への定着をサポートするという、これまでありそうでなかったソリューションを提供するのが2011年創業のスタートアップWalkMeである。2019年6月には東京オフィスも開設。全世界2,000社が利用中という製品はどんなものか。また、同社が提唱する「デジタルアダプション」ソリューションとは何か。日本法人代表の道下和良氏に聞いた。

<p>WalkMe株式会社 代表取締役社長 道下和良氏</p>

WalkMe株式会社 代表取締役社長 道下和良氏

意外にないSaaSの現場への定着に向けた効果的施策

 「デジタルアダプション」とは、ビジネスアプリケーションの定着でビジネスプロセスを改善し、組織全体におけるデジタル変革を実現することに焦点を当てたテクノロジーである。

 生産性向上に向け、日本企業が克服しなければならない課題は主に二つある。一つは国内市場の成長に限界が見えている中、海外市場を開拓すること。もう一つは減少し続ける生産年齢人口を補うことだ。そのためには、職場のダイバーシティを高め、働く人たち全てにとって使いやすいモダンなテクノロジーを導入し、組織の中に定着させなければならない。

 「WalkMeは日本企業が抱えるテクノロジーの定着(アダプション)という課題解決に役立つプロダクト」と道下氏は説明する。

 定着が重要になる背景には、企業のビジネスアプリケーション導入でSaaSが増えていることがある。2019年11月にWalkMeが日経BPコンサルティングと共同で実施した調査結果によれば、一社あたり平均で5.9(従業員数1,000人以上の大企業では7.6)のSaaSを利用していることが明らかになった。さらに、今後3年間のSaaSへの投資額の意向については、約8割が増加すると回答しており、今まで以上に多くのSaaSを活用することになる見通しだ。SaaS市場が活性化する一方、導入後は「機能と業務の不整合」「データ活用」「経営への効果の証明」などを抑えて「ユーザーへの定着化」が最大の課題であることもわかった。

 同調査では、具体的な定着に向けての課題を聞くと、大きく「ユーザーがシステムの操作方法を理解していない」と「ユーザーが実務への効果や意義を理解していない」の二つであることもわかった。続いて、これらの課題に対して、SaaSの利用促進と定着を図るために実施している施策の実施状況を聞くと、「社内マニュアル、FAQの作成・展開」「講習会など社内・部内のトレーニング実施」に多くの回答が集まったが、実はこの二つは実施負荷が大きい施策である。

 マニュアルは丁寧に作ろうとすると、膨大な枚数のスクリーンショットが必要になる。画面の改修が発生するごとに改訂も必要になり、その負担が現場にのしかかる。トレーニングも大企業の場合は全国の拠点を回らなくてはならない(図1)。

<p>図1:日本企業が実施しているSaaSの定着に向けての具体的な施策 出典:WalkMe</p>

図1:日本企業が実施しているSaaSの定着に向けての具体的な施策 出典:WalkMe

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著者プロフィール

  • 冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

     IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタントとして活動中。ビジネスとテクノロジーのギャップを埋めることに関心があり、現在はマーケティングテクノロジーを含む新興領域にフォーカスしている。

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