本記事は「マイクロソフトお客様事例」より一部転載しております。記事全文はこちらからご覧ください。
「3密」を避けて出社できるオフィスを作るため「アップデート型ワークプレイス」の実証実験へ
私達の働き方を大きく変えてしまった新型コロナウイルス感染症。今後もウィズコロナ/アフターコロナを見据え、テレワークを中心としたニューノーマル時代の働き方を推進していく必要があります。しかしすべての業務がテレワークで遂行できるわけではありません。新たなワークプレイスとして、物理的なオフィスも変革を遂げていく必要があります。
この課題に対して積極的な取り組みを進めているのが、パナソニック株式会社 ライフソリューションズ社(以下、パナソニックLS社)です。同社は住宅からオフィス、商業施設、スマートタウンに至るまで、人々の「くらし」に関わる様々な場面で事業を展開している企業。「人起点」でより良いくらしを実現するため、ホームオートメーションシステムやビルオートメーションシステムなど、多岐にわたる商材を開発かつ販売しています。そして2020年7月には、ニューノーマル時代のワークプレイス創造を見据えた実証実験を、同社オフィスがある広島中町ビルでスタート。環境変化に柔軟に対応し続ける「アップデート型ワークプレイス」の実現が目指されています。
「新型コロナウイルス感染症拡大を防止するため、既に多くの企業がテレワークへとシフトしましたが、最近ではその弊害も見え始めています」と語るのは、パナソニックLS社 マーケティング本部 エンジニアリング事業統括部 ソリューションイノベーションセンターで事業企画部 部長を務める北村 常弘氏。
長期的な視野に立てば、「換気の悪い密閉空間」「多数が集まる密集場所」「間近で会話や発声をする密接場面」という「3密」を回避し、ソーシャルディスタンスを維持しながら社員が出社して仕事ができるオフィスを、改めて作り上げる必要があると言います。「そのためにはオフィス空間で人々がどのように動いているのか、密集している場所が存在していないかなどを、データに基づいて可視化していかなければなりません。この実証実験はその実現を目指したものなのです」。
その具体的な内容について「大きく3つの要素で構成されています」と説明するのは、同センター 事業企画部で主幹を務める井藤 好克氏です。
第1は、オフィスの様々なデータの数値化による空間分析です。温度や湿度、CO2などの空間環境データに加え、ヒトの動きや密度を計測することで、個々の働き方や部署間の交流などを可視化。これによってデータに基づく組織設計やレイアウト変更の提案、設備設計/改修提案を可能にします。またヒトの心理に関しても、データセンシングや直感的に入力するマトリクスアンケートによってデータ化。これを同社独自の構造分析手法を用いることで、環境要素やヒトの動きなどとの因果関係を分析し、空間設計の様々な要素を決定する指標として活用しています。
第2はデータを活用したオフィス空間制御。個人の好みに合わせて選べる執務環境を設備制御で構築すると共に、フレキシブルなゾーニング制御方式による空間チューニングを可能にしています。また会議室などもダイナミックに変更できるようにすることで、省スペース化と空間価値の最大化の実現も目指しています。
そして第3がアップデート型インフラの実現です。収集したデータによってオフィスの「デジタルツイン」を実現し、これに基づいてオフィスビル全体を統合的に管理できるしくみを構築。またこれに対応するためシステム天井の改修も行われており、機器の追加や移動が容易な設備インフラとなっています。
変化するニーズに迅速に対応できるビジネス実現のパートナーとしてマイクロソフトを選択
この実証実験に向けた取り組みが始まったのは2019年初頭。まだ新型コロナウイルス感染症が登場する前のことでした。その背景や目的について、北村 氏は次のように語ります。
「当社の事業の柱はビル設備の提供ですが、最近では世の中の動きが激しくなっており、お客様のニーズも短期間で大きく変化するようになりました。これに対応するにはより柔軟かつスピーディなビジネスモデルを実現しなければなりません。1~2年かけて製品を開発しリリースするだけではなく、お客様の新たなニーズを先取りした実証実験を行いながら新たな提案を行う、ソリューション型のビジネスを実現していく必要があります。今回の実証実験もその一環として実施されているものなのです」。
本記事は「マイクロソフトお客様事例」より一部転載しております。記事全文はこちらからご覧ください。