SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年夏号(EnterpriseZine Press 2024 Summer)特集『ニューリーダーに訊く──2024年春、CxOに就任した2人が目指す姿とは』

EnterpriseZine Press

マカフィーは“サイバーセキュリティのプラットフォーマー”として包括的な保護を強化へ

事業成長をけん引する「MVISION Cloud」の拡充を目指す


 5月11日にマカフィーは、法人向けの2021年度事業戦略説明会を開催した。コロナ禍を背景にセキュリティ業界を取り巻く環境も大きく変わっている中で、米国本社によるSymphony Technology Groupへの売却など、ますます注目を集めている同社。はたして、本年はどのような方針を掲げるのだろうか。

2021年度の事業戦略とは

 最初にマカフィー 代表取締役社長を務める田中辰夫氏が登壇し、セキュリティ業界を取り巻く環境の変化から語られた。昨年は、新型コロナウイルス感染症を背景に在宅勤務の導入が進んだことでクラウドサービスの利用が急増し、課題とされていたDXも加速。その一方で、サイバー犯罪者は新型コロナウイルス感染症に便乗した攻撃やクラウドサービス導入に追われたITセキュリティ部門の弱みにつけ込むような攻撃が観測されたとした。

マカフィー 代表取締役社長 田中辰夫氏
マカフィー 代表取締役社長 田中辰夫氏

 これらを背景に同社では、クラウドセキュリティをけん引する「MVISION Cloud」を強化し、SASEを実現するための「MVISION Unified Cloud Edge(UCE)」を本格展開。本年4月には、「MVISION Cloud Native Application Protection Platform(CNAPP)」を一般提供している。また、「MVISION Extended Detection and Response(XDR)」で統合管理を強化するなど、コロナ禍でも売上げを伸ばし、ナスダック市場への再上場も果たした。

 こうした動向を踏まえたうえで、田中氏はセキュリティ市場動向について「NEW WORKPLACE:新しい職場環境」「NEW ADVERSARIES:新たな脅威と敵」「NEW INNOVATION:新たなイノベーション」「NEW URGENCY:新たな緊急性」という4つの観点から説明する。

[画像クリックで拡大]

 まず、“新しい職場環境”という点について、在宅勤務が進んだことにより「WebEX」や「Zoom」といったコラボレーションツールの利用が急増し、BYOD端末の数も倍増しているという。田中氏は、「今や様々な場所から業務を行い、セキュリティで保護されていないデバイスが企業のリソースにアクセスしています。今年の脅威予測でも触れた通り、家が職場になったことでコネクテッドデバイスも世界中で350億台が接続されることになり、リモートワーカーもパンデミック前と比較すると3~4倍になると予測されるなど、柔軟なセキュリティ対策が望まれるようになっています」と述べる。

[画像クリックで拡大]

 また、“新たな脅威と敵”について、コロナ禍で攻撃者の関心が新たな手法に移っているとした。たとえば、クラウドネイティブな脅威について、昨年1月に最大630%の増加がみられたり、運輸や物流、教育業界の脅威も増加しているという。そのため、企業のセキュリティ担当者の負担も増大していると田中氏は指摘した。

[画像クリックで拡大]

 さらに“新たなイノベーション”という点について、クラウドサービスの利用増加率が平均で50%増加し、コラボレーションツールの平均増加率も400%と急増。加えて、BYOD端末からの企業資産へのアクセスは2倍以上も増加するなど、これまでにないほどに多くの企業がイノベーションを推し進めているという。その一方で、攻撃者自身もイノベーションをとげることで、クラウドを中心とした脅威も増加している。

[画像クリックで拡大]

 そして、“新たな緊急性”として、86%の企業が複数のサイバーセキュリティベンダーの製品を使用しており、インシデントを検出し封じ込めるまでに平均約9ヵ月という時間を費やしているなどの問題が指摘された。

 これら4つの市場動向を受けてマカフィーでは、これまで提唱していたデバイスからクラウドまでの保護に加えて、本年度では将来までを見据えたセキュリティ運用の構築とすべての脅威経路における可視性などを提供し、“サイバーセキュリティのプラットフォーマー”として包括的な脅威防御とデータ保護の提供を目指すという。

[画像クリックで拡大]

 まずはこの戦略を実現させるためにMVISIONを中核におきながら、すべての脅威経路における可視性と制御を実現するサイバーセキュリティを提供したうえで、クラウドに対するアプローチを加速。また、高度化する攻撃者に先んじるセキュリティ運用のためプロアクティブな防御を実現し、将来を見据えたSOC運用を可能にするとした。

 これに加えて、先日発表されたSymphony Technology Group(STG)への法人部門売却についても触れられた。売却自体は今年末までに締結される見込みであるとし、エンタープライズビジネス部門はプライベートカンパニーとして、エンタープライズ領域に完全にフォーカスしていく形になるという。

 田中氏は「今年も引き続き在宅勤務が推奨される事態となっているため、セキュリティ対策の意識も高まることが考えられます。セキュリティ業界にとってマイナス面だけではないため、今後もセキュリティ市場を成長させていきたいと考えています」と本年度の決意をみせた。

次のページ
MVISION Cloudプラットフォームの拡充へ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/14376 2021/05/17 18:22

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング