ゲームの中の広告効果計測のスタンダードを作る取り組み
Oracleでは、広告関連のソリューションとCRMやデジタルマーケティングは従来別々に扱われていた。それを「Oracle Advertising and Customer Experience」と1つにし、CX関連ソリューションをまとめている。これにより広告、マーケティング、セールス、コマース、サービスの領域の連携性を深めようとしているのだ。
Oracleの広告関連ソリューションとしては、2014年に買収した「BlueKai」で実現するOracle Data Cloudがある。さらに最近注目を集めているのが、デジタル広告効果測定の「Moat by Oracle」もあり、これも2017年に買収しMoat社のサービスがベースだ。2018年には、コンテキストをベースにしたターゲティングを実現する「Grapeshot」も買収し広告関連ソリューションを強化している。
Moat by Oracleは、広告の検証と注目度、リーチ、フリクエンシーなどを測定し広告効果を最大化するためのスイート製品だ。テレビや新聞、雑誌などの広告に替わり、今やWebやSNSなどに掲載されるデジタル広告が主流だ。広告がデジタル化したことで、掲載される広告がどのように見られているかを、リアルタイムに把握する技術が発展してきた。そこから広告効果を測定し、迅速に広告の最適化を図るのも当たり前だ。
デジタル広告の世界で昨今問題なのが、アドフラウドと呼ばれる不正行為だ。アドフラウドはアクセスしたように見せかけ、不正に広告を表示させて広告費などを詐取すること。安価な労働力を使い人海戦術でアクセスすることもあれば、ボットを用い機械的に広告を表示させる不正もある。不正アクセスで広告が表示されれば、広告主は無駄に広告費を払うことになる。
デジタル化した広告が、本当に見られているかを計測するのは難しい。ブラウザ的には表示されていても、人の目に触れるにはブラウザをスクロールしなければならないこともある。Moat by Oracleでは、実際に見られていることを検知し、クリックなどの広告効果の指標を計測できる。さらにボットによる不正なクリックも判別し除外が可能だ。Moat by Oracleのもう1つの特長が、アテンション計測と呼ばれる機能だ。これは表示された広告が、ターゲットに対しどれだけインパクトを与えたかを計測し、結果をマーケティングキャンペーンなどに活かすためのものだ。