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なぜIBM、アクセンチュア、デロイト、PwCが広告業界の上位にいるのか? デジタルで激変するグローバルの広告代理店市場

edited by DB Online   2021/07/19 14:00

マーケティング組織とCMOの役割は?

 具体的なグローバルなB2Bのマーケティング組織を見ていきましょう。グローバル企業のCMOがマネジメントするマーケティング組織は、以下の機能を持ちます。一方でCMOも、C(Chief)が付くように、CEOにレポートしています。

  • ブランド:ブランド認知を高める広告、ソーシャルメディアマーケティング、アセットの整合性をとる。企業レベルのイベントの企画運営を行う。
  • コミュニケーション:業界アナリスト、および、プレスやジェーナリストとコミュニーションをもつ。いわゆるAR、PRグループ。会社によっては、コミュニティのインフルエンサーも対象に含む。
  • オペレーション:マーケティング関係の各種オペレーションを確立。多くの企業で、MarketoやSalesforceが導入されており、そのデータのメンテナンスも行う。仮想イベントなどの新しいツールの導入の企画も行う。
  • フィールドマーケティング:地域ごと、または、製品ごとに組織され、営業に案件創出の支援をキャンペーンの実施で行う。ビジネスモデルによって、パートナーとの共同パーケティングや顧客維持のためのマーケティングの実施。
  • プロダクトマーケティング:プロダクトやソリューション、ビジネスによっては業種に関連するコアメッセージやアセットを作成。また、GTM戦略策定に深くかかわる。

 私自身は多くの場合、フィールドマーケティングに所属してきました。近年、グローバル企業では、もっとも優先順位を高くしているところで、ここでマーケティング投資に対するROIが図れます。金を使うなら、売上で結果を出せということです。おそらく、広告や宣伝を主にする日本のマーケティング組織と大きく違うところは、この機能だと思います。

 HR Transformationの現場を人事面でサポートするHR Business Partnerに考え方が近いです。人事も、マーケティングも以前はバックオフィスに属していた組織は、現場をサポートする組織に変貌してきているのです。そして、その戦略はとても合理的だと思います。

 日本においては、フィールドマーケティングは、まったくこの機能をもたなかったり、営業組織の下にあったりする企業が、ほとんどかと思います。私は大手企業とも共同マーケティングなどを実施しますが、その機能をもつ企業と仕事をしたことがありません。

 かのドラッカー先生は、「企業の目的が顧客の創造であることから、企業には2つの基本的な機能が存在することになる。すなわち、マーケティングとイノベーションである」と述べています。そこからすいぶん変異してきましたが、近年では、企業活動を後方ではなく、前方で支援する組織に変化してきていると思います。

 さて、日本のマーケティング組織はどこにいくのでしょうか?



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著者プロフィール

  • 北川裕康(キタガワヒロヤス)

    クラウドERPベンダーのインフォア(Infor)のマーケティング本部長。33年以上にわたりB2BのITビジネスにかかわり、マイクロソフト、シスコシステムズ、SAS Institute、Workdayなどのグローバル企業で、マーケティング、戦略&オペレーションを担当。その以前は富士通とDECでソフトウェア技術者。マーケティング、テクノロジー、ビジネス戦略、人材育成に興味をもち、日々格闘中。

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