DX時代の要請に応える“シリコンレベル”のセキュリティとは 4領域を柱としたHPEのDX支援戦略
製造から廃棄まで、製品ライフサイクルを通じたHPE独自のセキュリティ対策
Edge to Cloud時代に向けハードウェアセキュリティも進化

今後はどのようなセキュリティ機能が実現するのか――橘氏は最後に、進行中の取り組みについても触れた。
最初に紹介したのは、ネットワークインターフェイス(NIC)側の処理能力をセキュリティに利用するものだ。この分野のスタートアップである米Pensando社と提携し、Pensando社の「Smart NIC」を活用することで、サーバー通信の暗号化、マイクロセグメンテーションとステートフルファイアウォールを構築するなどの取り組みを進めているという。このようなハードウェア的な制御のメリットについて橘氏は、「ソフトウェア的な制御よりもシンプルでわかりやすい」と説明する。また、CPUやメモリリソースの節約、責任分界点がわかりやすい、などの利点もあると述べた。

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次に、Edge to Cloudを安全にするHPEの新プロジェクト「Project Aurora」も紹介した。HPEが進める「Edge to Cloud Platform」でゼロトラストのセキュリティアーキテクチャを実現するというプロジェクトだ。
具体的には、「Edge to Cloud Platform」を「サプライチェーン」「インフラストラクチャ」「OS/ハイパーバイザー」「プラットフォーム」「ワークロード」と5つのレイヤーに分け、レイヤー間で異なる脅威に対して、下位レイヤーから上位レイヤーへの認証を通じて、環境全体の正当性を担保していくというもの。「一貫して検証し続けることでセキュリティを担保するものです」という。

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サプライチェーンとインフラストラクチャの2レイヤーについては、Silicon Root of Trustなどで既に対応できており、今後は上の3レイヤーに対して実現していく。既に、クラウドネイティブセキュリティの「SPIFFE(Secure Production Identity Framework For Everyone)」ベースのサービスを提供するScytale社を買収するなど、準備を進めていることも報告した。
Project Auroraの一部技術は、まもなくサービスの一環として提供される予定だという。「今後もセキュリティを戦略の柱とする、HPEの最新の取り組みに注目してほしい」と橘氏は述べた。
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末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)
フリーランスライター。二児の母。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。
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