インテックは、三菱UFJ銀行のAI・データ分析基盤をコンテナ化し、コンテナ管理に「kubernetes(クバネティス)」を導入したことを発表した。
同行では、AI・データ分析に必要なアプリケーションやライブラリは外部環境から入手、アップデートしなくてはならず、PoC環境の構築や管理に負荷がかかっていたという。そこでインテックは、AI・データ分析基盤をコンテナ型仮想化のDockerを使用してコンテナ化し、「kubernetes」を使用したコンテナ管理プラットフォームを構築したとしている。
導入の効果・メリット
PoC環境構築の効率化とコスト削減を実現
従来はPoC環境が必要となった場合、PoC要件に沿って既存環境をカスタマイズする必要があったが、コンテナ化によってまったく同じPoC環境を容易に複数構築することや、外部環境でコンテナイメージを構築することが可能になったという。外部環境で構築したコンテナイメージは、オフラインのPoC環境に持ち込み、コンテナを起動するだけですぐに利用可能。その結果、環境構築にかかる人的費用・リソースの削減と、期間短縮に成功したとしている。
PoC環境の安定運用を実現
コンテナにはアプリケーションを実行する機能しかないため、コンテナ管理や他のサーバーとの連携は「Kubernetes」で行っているという。「Kubernetes」には、どのようなアプリケーションが動いているかを監視する機能や、コンテナがダウンしたり、間違えて削除した場合でも自動回復する機能などがあるため、障害にも強い安定運用を実現できたとしている。
多様なPoCを柔軟に実施し、DXを推進
コンテナ化と「Kubernetes」の導入によって、これまでは環境構築にかかる費用対効果に見合わなかったDX施策のPoCも実施可能となり、行内のAI・データ分析サイクルが加速したという。
今後インテックは、今回のコンテナ管理プラットフォーム導入のノウハウを生かし、コンテナ技術の有効性検証からコンテナ稼働環境の構築、コンテナアプリケーションの導入と運用、コンテナ開発技術者の育成まで幅広くサポートしていくとしている。
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