どんな組織でアカウント管理が重要なのか?
メールシステムを構築する時に、アカウント管理を重要視するケースはあまり多くないようです。しかし、実は、メールシステムの運用と管理を行う上で、アカウント管理は非常に重要な要素の1つです。方法次第では、メールシステムの運用・管理が画期的に楽になる場合もあります。
特に、次のような場合には、十分に検討する必要があります。
- ユーザーが頻繁に入れ替わる
- ユーザーの人数が多い
- 1つのシステムで複数のドメインを扱いたい
- SPAM対策やセキュリティにも配慮したい
アカウント管理方法を決めるのに考慮すること
アカウント管理について、ほとんどの人は単なるユーザーとパスワードの管理と考えています。確かにアカウントの運用管理は、単純な部分がありますが、とても手間の掛かる作業です。また、利用者の利便性を左右する部分でもあります。そのため、システムの導入時には、次のようなことを検討すべきです。
メンテナンス性
ユーザーの追加、削除を簡単に行うことができるか。あるいは、ユーザーの多い組織では大量の変更を一括して行うことができるかを考慮する必要があります。
ユーザー機能
パスワードやメール転送などの設定を、利用者が自身で変更できるシステムにすることをお勧めします。特に、規模の大きな組織では、ユーザの自由度を十分に確保すると良いでしょう。ユーザーにとっては任意に変更ができる使いやすいシステムとなりますし、管理者としても作業の負担が軽減されるメリットがあります。
アカウントデータのセキュリティ
最近では、メールアドレスは重要な個人情報の1つであると考えられています。このような情報を、インターネットに接するメールサーバ上で管理すると、情報漏洩や不正アクセスの原因となりかねません。
こうしたリスクを考慮して、最近ではアカウント情報だけは別のサーバで管理することが多くなりました。アカウント情報を適切に管理すれば、メールシステムの故障や、老朽化などでシステムを更新する場合にも、データを引き継ぐことができます。こうした将来的なニーズも考慮する必要があります。
アドレス帳としての利用
アカウント情報をLDAPなどの標準的な方法で管理すると、アドレス帳などの別のアプリケーションから参照することができます。アドレス帳は、別の部署の人のメールアドレスの検索などを行う際に非常に便利です。特に利用者の多い組織では、メールの利便性を大きく向上することができます。
外部連携による付加機能
アカウント情報を適切に使えば、なりすましの防止や、SPAM対策、ユーザークオータ制御などにも利用できる可能性があります。そのため、他のシステムと連携しやすい標準的な方法で、情報を管理することをお薦めします。