SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

EnterpriseZine Press

グンゼが20年間利用してきたNotesを捨てた理由とクラウド移行の要点


 肌着・インナー、ストッキングなどで有名な老舗アパレルメーカーのグンゼ。メーカーとしてのITへの取り組みも古く、90年代から20年以上に渡ってNotes/Domino(以下Notes)を利用してきた。そして2017年に、Notesを移行するプロジェクトを実施。それまで、情報共有や文書管理、メールなどの統合システムとして利用してきたNotesのシステムを、文書管理・ワークフローとメールなどのクラウドサービスに置き換えた。文書管理は、ワークスアプリケーションズの「ArielAirOne(以下、Ariel)」、メールシステムは、Microsoft 365を採用。そのクラウドのハブとなるアクセス管理の基盤としてHENNGE Oneを導入した。

Notesレガシーからの脱却が課題だった

 20年以上使い続けたNotesを切り替えることは、大きな決断だった。そもそもグンゼがNotesを採用した90年代には、Notes/Dominoと言えば先進的なツールだったが、時代の変化と共に多くの問題が浮上していた。導入の背景について、同社の技術開発部 IT戦略室 室長 鶴海真治氏はこう語る。

 「最大の問題は、Notesが重いことです。社外からの利用ではリモートツールで社内のネットワークにアクセスする必要があるのですが、通信のトラフィックが重いので使いづらかった。国内の回線ではなんとかなりますが、通信環境の弱い海外拠点もあるので問題でした」

グンゼ株式会社 技術開発部 IT戦略室 室長 鶴海真治氏

 もうひとつは、社員の働き方の変化への対応だ。2016年頃からの事業部長へのヒアリングでは、ワークスタイル変革の気運が高まっていた。社外からスマートフォン・タブレットの利用への要望も多かったが、NotesではiPhone/Androidなどスマートフォンへの対応が弱く利便性が悪い。

 また、クラウドの時代になりNotesのシェアが低下し、今後活用し続けることへの不安もあった(2017年時点で、シェア14%を切る状況)。Notesのスキルを持ったエンジニアは、先細りしていくため、人材確保とコストの面でも難しくなると鶴海氏は考えたという。

 「Notesを移行するとしたら、数年に一度のバージョンアップの時期しかない。実は2010年代の前半にもNote移行は俎上にあがっていました。ただそれまで決断ができなかったのです」(鶴海氏)

 2012年のバージョンアップの時期は、東日本大震災の後の状況で、オンプレミスからクラウドやSaaS移行の気運は高まっていた。しかし見合わせた理由は、セキュリティの要件だった。当時、クラウド型のメールといえば、Googleの企業利用が台頭してきた時期で、MicrosoftのSaaS型のサービスはまだ普及していなかった。Google(当時はGoogle Workplaceの前身のG Suite)はまだパーソナルツールの延長とみなされ、今回採用されたHENNGE Oneのようなアクセス管理やセキュリティツールも、成熟していなかった。

次のページ
Ariel+Office 365+HENNGEの採用

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在は、EnterpriseZineをメインにした取材編集活動、フリーランスとして企業のWeb記事作成、企業出版の支援などもおこなっている。 ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/15151 2021/11/10 12:30

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング