ビジネスプロセス モデリングでは、特定の言語や記法を用いてビジネスプロセスを定義していきます。ビジネスプロセス モデリング用の言語や記法には、BPMN、UMLのアクティビティ図、UMLの状態機械図といったものがあります。第6回は、これらの記法の特徴とビジネスプロセス モデリングの関係について説明します。
ビジネスプロセスモデリング記法の種類
これまでに、ビジネスプロセス モデルのために数多くの記法や言語が提案されてきました。また、各社からさまざまなビジネスプロセス モデリング用のツールがリリースされています。その多くが記号(ノード)を矢印(アーク)でつないで、ビジネスプロセスを表現するものとなっています。このようにノードとアークから構成される構造をグラフ構造と呼びます。
グラフ構造のノードとアークでそれぞれ何を表現するかによって、ビジネスプロセス モデリングのための記法を次のように大別することができます。
- ビジネスアクティビティを中心とした記法
- ビジネスオブジェクトを中心とした記法
ビジネスアクティビティを中心とした記法
これは、アクティビティとその実行順序を、それぞれノードとアークで表現する記法です。アクティビティと実行順序に加えて、制御の条件分岐や並行処理を表すための記号や、ビジネスオブジェクトの流れ(オブジェクトフロー)を表現するための記号が追加されます。
UMLのアクティビティ図やBPMN(Business Process Modeling Notation)はこの分類に含まれます。UMLのアクティビティ図を用いて記述した簡単なビジネスプロセス モデルを図1に示します。

この記法では、業務の流れを直接表現できるために、直感的に理解しやすいものとなります。また、ワークフローシステムやビジネスプロセス エンジンによる実装にも適しています。このため、多くのビジネスプロセス モデリングツールでは、これに類する記法を採用しています。
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竹村 司(タケムラ ツカサ)
日本アイ・ビー・エム(株)
エンタープライズ・アーキテクチャー&テクノロジー
シニアITアーキテクト
1986年日本アイ・ビー・エム(株)入社。以来、種々のインダストリー向けアプリケーションソフトウェアやソフトウェアコンポーネントの開発に従事。現在はサービス事業において、お...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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