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data tech 2021 レポート

ライオン×ヤマハ発動機のDX推進リーダーが「DXの進め方」を考察 AI/データ活用、組織の在り方とは

data tech 2021 パネルディスカッション:ライオン 黒川博史氏×ヤマハ発動機 大西圭一氏


 2021年11月25日に開催された「data tech 2021」では、今まさに事業会社でDXを推進している、ヤマハ発動機 IT本部デジタル戦略部デジタルマーケティンググループ グループリーダー 兼 データ分析グループ グループリーダー 大西圭一氏とライオン DX推進部長 黒川博史氏をパネリストに迎えてパネルディスカッションを実施。DXの意義、AIやデータ活用との関連性、組織のあり方など、現在体験していることを含めて議論が交わされた。

そもそもDXは何のため? DXの意義をどう考えるか

(右から)ライオン株式会社 DX推進部長 黒川博史氏、ヤマハ発動機株式会社 IT本部デジタル戦略部デジタルマーケティンググループ グループリーダー 兼 データ分析グループ グループリーダー 大西圭一氏、株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部 岡本拓也
(右から)ライオン株式会社 DX推進部長 黒川博史氏
ヤマハ発動機株式会社 IT本部デジタル戦略部デジタルマーケティンググループ グループリーダー 兼
データ分析グループ グループリーダー 大西圭一氏
株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部 岡本拓也

岡本拓也(以下、岡本):本日モデレーターを務めさせていただきます、EnterpriseZine編集部 岡本と申します。パネラーにはヤマハ発動機株式会社 大西圭一様、ライオン株式会社 黒川博史様をお迎えしております。早速、自己紹介をお願いします。

大西圭一氏(以下、大西氏):ヤマハ発動機の大西です。現在、IT本部デジタル戦略部という全社のDX推進を担っている組織にいます。2018年1月にセンターオブエクセレンス(CoE)が立ち上がり、そこでデジタルマーケティングやデータ分析などをグローバルで推進するような役割を担っています。私個人としては、製造技術、米国MBA留学、ベンチャー投資や新規事業開発(IoT)を経て、現在に至ります。

 弊社は企業目的として「感動創造企業」を掲げており、お客様の期待を超える価値を届けたところに「感動」が生まれると定義して、日夜事業を営んでいます。ブランドスローガンは「Revs Your Heart」、revとはエンジンの回転を上げるという意味の単語で「お客様の心の回転数を上げてワクワクさせる」ことを目指しています。

 DXについては経営戦略と位置づけて、3つの領域でパラレルに進めております。1つ目が「競争力のある経営システムを構築する」として、基幹システムを刷新。2つ目が「今を強くする」として、既存事業をデジタルで強化しています。そして3つ目は「未来を創る」として、お客様と新規事業を共有することです。

 なお、ヤマハ発動機は2年連続でDX銘柄に選定されております。何かを成し遂げたというよりは、頑張っている姿勢を見ていただいた結果かと思っています。これに恥じないようにこれからもデジタル活用、お客様への価値提供を加速させていきたいと思っています。

黒川博史氏(以下、黒川氏):ライオンの黒川と申します。私は2007年に入社し、基幹技術である油脂の基礎研究に従事していました。2017年から全社のデジタルイノベーションプロジェクトに参画するころから、デジタルの仕事に従事しています。2019年から研究開発本部 戦略統括部 データサイエンス室でAIを中心としたデジタル技術の社内推進をしていました。2021年にDX推進部を立ち上げ、こちらで全社DXの戦略立案、実行推進をしています。

 そして、DX推進部のミッションを「デジタルテクノロジーを活用して、ライオングループ全体の事業活動の変革を先導する」としており、そのなかで企業、生活者、社会の習慣を変えるサービスを提供することを掲げています。

 また、「データサイエンティスト」「デジタルナビゲーター」という大きく2つの人材を定義して、組織しております。特に、後者のデジタルナビゲーターは“人間に対して翻訳する”という重要な役割を担っています。

岡本:ありがとうございます。今日は、3つのテーマで議論を深めていければと思います。最初のテーマは、「DX推進の意義」についてです。そもそも、なぜDXに取り組まなくてはいけないのか、その意義などについてお聞かせください。

黒川氏:私の中では、まず体験してみることが重要だと思っております。最近、ファストフードやコーヒーチェーン店などではモバイルアプリが提供されていますが、まずは、実際に使ってみて体験することで「こういう風に変わっていくんだ」と理解する。これによって、実際の事業で「トランスフォーメーションするってこういうこと」と腹落ちできる。体験しないと実際の意義は語れないと思っています。

大西氏:DXというと定義がふわっとしていますし、何を指すのかも想像できない部分もありますよね。なので、私たちは社内では提供側ですが一消費者でもあるので、社員一人ひとりがデジタルを活用して、他社のサービスを使いながら自社を振り返る。そうした、一消費者の視点を忘れないことは大切です。

 また、DX推進の目的を考えてみると、事業成長、顧客体験の改善になると思います。デジタル技術は手段先行になりがちですが(最近だとNFTへの期待が高まるなど)、やはりどれだけビジネスを成長させたいのか、どうお客様の体験を変えていきたいのかが、DX推進の目的になると思っています。

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DXが進まないのは理解が足りないのか?人材が足りないのか?

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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