クラウドコンピューティングは黎明期から成熟期へ
世界的な不況を背景に、多くの企業が優先課題としてTCO削減に取り組んでいる。この厳しい経済環境がある意味「後押し」する形となり、初期コストを抑えたシステム導入を可能にするクラウドコンピューティングへの期待が高まってきた。
本格的にクラウドを導入する企業も増えつつある。こうした状況を踏まえ、「クラウドコンピューティングは黎明期から成熟期へ、新しいフェーズに入った」と、日立システムアンドサービス 執行役専務の眞木 正喜氏は語る。
続けて眞木氏は、クラウドコンピューティングを「SaaS/ASP」、「インターナルクラウド」、「プライベートクラウド」、「パブリッククラウド」の4つのモデルに分け、それぞれ最新動向および日立システムアンドサービスの取り組みなどを紹介した。
SaaS/ASPの分野における同社のソリューションの1つが、企業知活用サービス「コラボノート」だ。
従業員間のコラボレーションを支援するサービスであり、ユーザーは白紙の模造紙をインターネット上で共有する感覚で、テキスト入力や写真の貼り付け、文書の添付、ペン添削など、フリーレイアウトでリアルタイムに書き込むことができる。「紙」の手軽さそのままで、業務プロセスの効率化と統制を可能にするという。
また、パブリッククラウドの分野でも、同分野における主要ベンダーの1社であるマイクロソフトと協業。企業向けサーバソフトウェアの機能をオンラインサービスで提供する「Microsoft Online Services」(MOS)の販売パートナーとして、「Microsoft Business Productivity Online Suite」(BPOS)に対応したサービスの販売を、この5月より開始している。