クラウドコンピューティングでは、ユーザーは物理的なデータの場所を意識することはないが、データは決して“雲の中”ではなく、必ずどこかのデータセンターにある。それが米国にあった場合、あるいは中国の場合、どんな問題が起こり得るのか? クラウドが黎明期から成熟期へと向かう今、技術的な側面だけでなく、法的リスクを含めたさまざまな課題についても知っておく必要がある。 5月27日にベルサール九段(東京)にて開催されたIT Initiative Day(翔泳社主催)での株式会社日立システムアンドサービス 執行役専務眞木 正喜氏の講演内容をレポートする。
クラウドコンピューティングは黎明期から成熟期へ

世界的な不況を背景に、多くの企業が優先課題としてTCO削減に取り組んでいる。この厳しい経済環境がある意味「後押し」する形となり、初期コストを抑えたシステム導入を可能にするクラウドコンピューティングへの期待が高まってきた。
本格的にクラウドを導入する企業も増えつつある。こうした状況を踏まえ、「クラウドコンピューティングは黎明期から成熟期へ、新しいフェーズに入った」と、日立システムアンドサービス 執行役専務の眞木 正喜氏は語る。
続けて眞木氏は、クラウドコンピューティングを「SaaS/ASP」、「インターナルクラウド」、「プライベートクラウド」、「パブリッククラウド」の4つのモデルに分け、それぞれ最新動向および日立システムアンドサービスの取り組みなどを紹介した。
SaaS/ASPの分野における同社のソリューションの1つが、企業知活用サービス「コラボノート」だ。
従業員間のコラボレーションを支援するサービスであり、ユーザーは白紙の模造紙をインターネット上で共有する感覚で、テキスト入力や写真の貼り付け、文書の添付、ペン添削など、フリーレイアウトでリアルタイムに書き込むことができる。「紙」の手軽さそのままで、業務プロセスの効率化と統制を可能にするという。
また、パブリッククラウドの分野でも、同分野における主要ベンダーの1社であるマイクロソフトと協業。企業向けサーバソフトウェアの機能をオンラインサービスで提供する「Microsoft Online Services」(MOS)の販売パートナーとして、「Microsoft Business Productivity Online Suite」(BPOS)に対応したサービスの販売を、この5月より開始している。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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