デロイト トーマツ グループは、日本の上場企業を対象とした「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント実態調査」(以下、日本版)、ならびに「アジア進出日系企業におけるリスクマネジメントおよび不正の実態調査」(以下、アジア版)の結果を発表した。
日本版の主な調査結果
調査概要
- 調査対象:日本国内に本社を構える上場企業の売上上位の約3,500社
- 有効回答数:377社
- 調査方法:2021年10月中旬~10月末に郵送調査
- 調査項目:
- 【第1部】上場企業が着目しているリスクの種類
- 【第2部】上場企業が経験したクライシスの分析
- 【第3部】上場企業のCOVID-19に対する対応状況
国内で優先的に対処すべきリスクは3位に「サイバー攻撃・ウイルス感染等による情報漏えい」
日本国内において優先して着手すべきリスクの第1位は、地震・風水害・火山噴火・豪雪などが相次いだこともあり、前回2位の「異常気象、大規模な自然災害」だった。前回4位の「人材流失、人材獲得の困難による人材不足」が2位、「サイバー攻撃・ウイルス感染等による情報漏えい」は前回に引き続き3位だったという。
COVID-19の影響を受けて、優先して着手が必要な対策はリモートワークの推進
COVID-19の影響を受けて、優先して着手が必要と思われる対策については「リモートワークの推進」(41.4%)が前回の28.0%から大きく増加し1位。次いで「企業戦略の見直し」(27.1%)、「危機管理体制強化」(26.5%)、「ペーパーレス化の推進」(21.5%)、「業務プロセスの標準化」(17.2%)と続いた。
アジア版の主な調査結果
調査概要
- 調査対象:アジア地域(インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナム、ミャンマー、中国、台湾およびインド)に進出している日本企業の子会社(地域統括会社含む)
- 有効回答数:717件
- 調査方法:2021年11月~12月にWeb調査
- 調査項目:
- 【第1部】アジアにおけるリスクマネジメント
- 【第2部】アジアにおける不正の発生状況、アジア版の主な調査結果
アジア拠点で優先的に対処すべきリスクは1位「パンデミック等の発生」、2位「人材不足」
アジア拠点が考える優先して着手が必要なリスクは、「疫病の蔓延(パンデミック)等の発生」(33.8%)が前回同様1位。2位以下は、「人材流出、人材獲得の困難による人材不足」(27.9%)、「原材料ならびに原油価格の高騰」(26.8%)、「市場における価格競争」(19.4%)、「サプライチェーン寸断」(17.2%)と続いた。
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