中外製薬は4月22日、スノーフレイクが提供するデータクラウドプラットフォーム「Snowflake」の利用を開始したことを発表した。
製薬企業では、医薬品の研究から開発・販売に至るバリューチェーン全体で、膨大かつ複雑なデータを扱っている。そのためイノベーションの加速には、保有するデータを統合し、各機能が相互利用できる環境整備が重要だという。
中外製薬でも、革新的な新薬創出の高度化と加速を進めるにあたって、機密性の高い大規模データの安全かつ迅速な解析環境への適応や、組織横断的なデータ統合基盤が必要だったとのこと。
同社は今後、各部門やプロジェクトが保有するデータをSnowflake上で統合し、デジタル・IT基盤Chugai Scientific Infrastructure(CSI)と連携させることで、全社で利活用できる解析環境の整備を進める。
これにより、データガバナンスの強化、セキュリティリスクの低減およびコスト削減が期待されているという。さらに創薬機能においても、多くの実験データと仮説に基づいたシミュレーションおよびモダリティ横断的な分析等により、医薬品候補物質の評価の加速などデータの価値最大化・生産性向上につながるとしている。
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