河野デジタル大臣が語った「デジタル日本の再生」
基調講演で登壇したウイングアーク1st(以下、ウイングアーク)の田中社長は、冒頭に「世界デジタル競争力ランキング2022」のデータを示した。日本は29位。ビッグデータの活用やビジネス俊敏性では最下位で、欧米はもとより東アジアの主要国にも劣後している。「今や日本はIT後進国」と田中氏は警告する。
続いてデジタル庁の大臣、河野太郎氏によるビデオメッセージが紹介された。その中で河野大臣は、重点的な取り組みとして役所業務のデジタル化を語った。
「今、日本各地の役所の窓口で書かない窓口というものを進めています。役所に来られた方がご自身で、それぞれの申請書を記入する代わりに、役所の職員が必要な情報をタブレットに打ち込んで手続きを行います」(河野デジタル大臣)
今でも役所への申請などの手続きは、個人の情報を手作業で書く必要がある。申請の窓口が違えば、何度も同じことを記入することになる。一度記入した情報は、すでに役所のデータとして保管されている筈なので、一つの場所で完結するはずだ。そのためには、役所のバックオフィスの情報をデジタル化することが必要となる。「カギとなるのがマイナンバーカードだ」と河野氏は言う。マイナンバーカードは国民のための行政サービスの手続きの簡素化だけでなく、災害時の避難所での対応などの面でも必要だという。河野デジタル大臣はまだまだ民間のマンパワーが必要だと語り、民間企業にもさらにデジタル庁に協力してほしいと呼びかけた。
こうした政府の取り組みにみられるように、現在の日本のデジタル化の足かせになっているのはデータの分散であり、組織の文化、人材やスキルの不足だ。ウイングアーク1stは、こうした課題に答えるソリューションとして、データ活用基盤で「Dr.Sum」や「MotionBoard」を提供してきている。
ウイングアーク1stが先ごろ提携した 、ThoughtSpot CEO スディーシュ・ナイア氏のビデオメッセージが紹介された。ThoughtSpotは米国シリコンバレーのリアルタイム分析ツールを提供するユニコーン企業。ウイングアーク1stのデータ活用基盤「Dr.Sum Cloud」とセルフBI「ThoughtSpot」を連携させることで、高速なクラウドDWHを提供していくという。