11月30日、Elasticはウェスティンホテル東京で年次イベント「ElasticON Tokyo」を開催した。
冒頭にElasticsearch 日本法人代表の山賀裕二氏が「2019年を最後に対面イベントは控えてきており、3年ぶりにこの日を迎えることができました。この10年でさまざまなシーンにおいてElasticが活用されるようになり、オブザーバビリティやセキュリティも含めて支援できるようになるなど大きな進化を遂げています。まさにDXの次のステップに貢献できるものと確信しており、新たなビジネス価値を生むことが期待されています」と挨拶をすると基調講演へと水を向けた。
「Illuminate Your Possibility(データ活用で可能性を最大化する)」と題された基調講演では、Elastic エンタープライズ サーチ ソリューションのGMであるMatt Riley氏が登壇。「10周年を迎えるにあたり、これまでの取り組みを振り返ってみましょう」と説明を始めると、同社のこれまでの歩みやオブザーバビリティ、セキュリティ、検索の分野におけるイノベーション、『Elastic Search Platform』について紹介をした。
同社における最初の5年間は、Elasticsearch、Logstash、Kibanaによる『ELK Stack』の構築に時間をかけたとし、Found(サービスはElastic Cloudが継承)やPacketbeat、Prelert(現Elastic Machine Learning)の買収を重ねるなどソリューション構築に注力。『Uber』をはじめ、さまざまなアプリケーションがELK Stackによって構築されてきたと振り返る。また、ユーザーコミュニティとの連携も深めており、今後も協力していきながら次世代アプリケーションを支援していきたいとした。
Matt氏は「なぜElasticが選ばれているのか、理由のひとつとして『非構造化データ』において優れている点が挙げられます」と説明を続ける。Ingest機能によって構造化/非構造化データを問わず、簡単にプラットフォームにデータを取り込むことができるだけでなく、『Elastic Observability』『Elastic Security』『Elastic Enterprise Search』をスグに(Out-Of-The-Boxで)使えるように工夫しているという。垂直統合された各ソリューションを、アプリケーションごとのニーズにあわせてカスタマイズできることが『Elastic Search Platform』の特徴だとした。
「環境が複雑化している中で『Elastic Observability』『Elastic Security』を活用しながら、単一のプラットフォームで“全体的”な視点から課題解決に取り組むことができるでしょう。データの問題はすべてElasticが解決していきます」(Matt氏)
現在のElasticではバージョン8が提供されており、AIOpsや機械学習によるオブザーバビリティの自動化、検知だけでなく予防に重点を置いたセキュリティ対策、ベクトル検索機能の強化や自然言語処理モデルへのネイティブサポートなどを提供。これらの分野に投資を加速していき、将来的にはより高度なAIOpsの実現、統合プラットフォームとしての進化を目指すとした。
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