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Data Tech 2022 レポート

『データドリブン思考』の著者・河本薫氏が語る、データとAIの社内実装で陥りがちな“初歩的な間違い”

やり方が分かっても変われない……「元企業人として痛いほど分かる」同氏が提案する3つの意欲

 DXが経営課題となる中、「データを活用してビジネスを発展させよう」と意気込むものの、望むような結果に結びつかないことがある。それはなぜなのか。『データ分析・AIを実務に活かす データドリブン思考』(ダイヤモンド社)の著者、河本薫氏が企業におけるデータ活用を成功させるためのポイントや進め方について解説する。

問題は「意思決定プロセス」にある

 現在、滋賀大学データサイエンス学部で教授を務める河本薫氏は「大学の教員になってうれしい誤算は、いろんな企業の方がわざわざ彦根まで相談に来てくださること」と話す。以前は大阪ガスに27年間勤め、同社ビジネスアナリシスセンター所長を歴任したデータ分析の実務経験者だ。

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滋賀大学 データサイエンス学部教授

兼 データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター 副センター長

河本 薫氏

 河本氏のもとには「データ基盤や分析ツールに多額の投資をしたのに成果を出せない」「PoCまでは進むけど本番導入に進めない」「データサイエンティストが育たない」などの悩みが寄せられるという。こうした苦悩の背景には共通点があると話す。「データやAIで“何か”を改善すればビジネスの課題解決ができると認識しているものの、この“何か”をしっかり意識していない」と河本氏は指摘する。

 ここでヒントになる言葉として、ノーベル経済学賞受賞者で行動経済学のダニエル・カーネマン氏の「組織とは、意思決定を生産する工場である」を紹介した。この言葉の「組織」を「企業」に置き換えてみると、いろんな担当者がいろんな意思決定をしており、その結果として新製品が生まれ、顧客満足度が変わり、利益が生まれるということになる。ともすれば、顧客満足度が低下するなどビジネスにおける課題は「意思決定を生産する方法がまずいから」だと捉えられる。

 つまり、データやAIで課題解決するとは「勘と経験に頼る意思決定の生産方法(プロセス)を、データやAIも用いた合理的な意思決定の生産方法に改めて」課題解決することであると言える。ここで腹落ちできるかどうかが重要だと河本氏は強調した。

 これらを意識せずにいきなりデータ分析するとどんなことが起こってしまうのか。河本氏は例として工場をあげた。工員それぞれが自分のやり方で製品を組み立てている工場に、産業用ロボットを導入できるだろうか。答えは明白で、作業がバラバラなのだからできるはずがない。この場合、産業ロボットを導入する前に、まず製造プロセスの標準化やモジュール化する必要がある。

 話をデータ分析に戻そう。データ分析を意思決定プロセスに組み込むとしたら、意思決定プロセスを整理して、どこにデータ分析を入れられるかを考える必要があるのだ。河本氏はこれを「意思決定プロセスの設計」と呼ぶ。

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データドリブンな意思決定プロセスの設計ができていないと陥る、3つの失敗例

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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