前回のおさらい
エンタープライズ2.0って何? という方も多くいらっしゃると思い、前回は“ツンデレ”メタファで潮流や全体感をわかりやすく解説しました。
続く今回は、エンタープライズ2.0らしいサービスの代表例として、「マッシュアップポータルがもたらす経営効果」について解説します。かつてブームになった業務ポータルと何がちがうのか? をWebサービスを応用したウィジェットの仕組みや意味合いを中心に語ると共に、グループ経営やM&Aが一般的になった外部要因の違いによる普及加速の背景についても説明します。
「3億円の利益創出」は「3億円のコスト削減」
タイトルに「きちっと儲かる」と謳っているからには、単にオモシロイで終わらせずに儲け方まで踏み込んで解説します。今回は、「マッシュアップポータル」というエンタープライズ2.0の代表的な領域にスポットを当ててその効果を検証します。
まず、意志決定の流れのおさらいです。エンタープライズ2.0は、一般的に企業内で情報システム予算を確保して行う取り組みです。起案・稟議など実現に向けたプロセスは多くの組織ではまだ1.0的で、必ずといってよいほど、ROI(投資対効果)を求められます。
では、ROIが高いものはすべからく実行か? といえばそうでもなく、なぜならば多くの組織はそれほど暇ではないため、たとえROIが高くてもその効果の絶対額が低い案件にリソースを割くことができません。
したがって、ここでは「きちっと儲かる」目標を「3億円の利益創出」として掲げ、話を進めます。