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セキュリティはオープンな「コンセンサス」の時代へ~株式会社ディアイティ代表取締役社長 下村正洋氏

 世界の標準化において日本が果たす役割とは何か。株式会社ディアイティの代表取締役社長、NPO日本ネットワークセキュリティ協会(以下、JNSA)の事務局長、セキュリティ対策推進協議会(SPREAD)の代表と、3つの顔を持つ下村正洋氏に話を聞いた。

 

 

 株式会社ディアイティの代表取締役社長、NPO日本ネットワークセキュリティ協会(以下、JNSA)の事務局長、セキュリティ対策推進協議会(SPREAD)の代表と、3つの顔を持つ下村正洋氏。経営者という多忙を極める仕事にありながら、日本のネットワーク社会における「セキュリティ」の啓蒙普及活動に奔走する多忙な日々を送る。インターネットの黎明期から、企業や社会のITセキュリティの課題に向き合い、ともに歩んできた。

 現在、セキュリティが置かれている位置について、下村氏は「社会インフラとしてのコンセンサスを確立する段階にある」と分析する。 日本におけるセキュリティの「コンセンサス」はどのように確立し、変遷していくのか。

 

安心安全な社会を作る6つの要素

―経営者であるほかに、数々のセキュリティ団体の活動を行っている下村さんですが、プライオリティはどのようにつけているのでしょうか

 私のミッションは、安全で安心な社会が構築と考えています。また、安全で安心な社会が構築がされるためには、サービス・製品・技術・制度・モラル・コンセンサスの6つの要素が必要だと考えています。

 私の中ではサービス、技術、製品についてはディアイティとして、制度、モラル、コンセンサスについては、業界活動を通して、という位置づけですね。

―なるほど。どれが大事というのではなく、6つの要素のバランスをとることで初めて安全で安心な社会が実現するということですね。どのような経緯で、JNSAの活動を始めることになったのでしょうか。

ディアイティが初めて社内LAN用の暗号通信システムを紹介した当時は、どこの大手企業にも「当社にはそんな悪い人は居ません」とまったく取り合ってもらえませんでした。

 VPNという言葉すらなかった時代、外部からの攻撃に備えたセキュリティにようやく関心が高まりはじめた頃で、社内からの情報漏洩対策の必要性を理解する人はごくわずかでした。しかし、実際にはその数年後に内部を起点とした情報漏洩が次々と露見していきます。

 既にそういう問題が起こるであろうと予測できていたにも関わらず、メッセージが届かないジレンマにもどかしい思いでした。同じ思いを持つ者が集まれば、もっと強いメッセージを発信できるのではないか。そう思って始めたのがJNSAです。

 早くからセキュリティに取り組んできた同業者に声をかけたのが1999年8月、半年間の準備期間を経て56社の賛同者が集まり、2000年4月に任意団体JNSAが発足し、翌年にはNPOとして認められました。

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セキュリティは社会のコンセンサス

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この記事の著者

下村 正洋(シモムラ マサヒロ)

1951年大阪府生まれ。大阪電気通信大学 経営工学科卒業。
1974年 デジタルコンピュータ(株)入社。システムエンジニアとして以下の主な業務に携わる。
東京銀行世界ネットワーク(TOHNET)の開発にサブリーダとして参加。日本電気パケット交換
機の開発 、イーサネット装置の評価と試作...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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