SaaSからAPI経由でのデータ取得、その壁はプログラミング
DXを進めるために、ノーコード/ローコードツールのニーズが高まっている。非エンジニアがツールを活用して、迅速にビジネスに価値を生むアプリケーションを構築することが狙いだ。一方で、ノーコード/ローコードツールの利用が進むに連れて、課題となるのがデータのタイムリーな取得である。データがなければ、価値を生み出すことは難しい。
オンプレミスの業務システムなどでビジネスを回していた頃ならば、必要なデータは各システムで利用するリレーショナルデータベースにあった。しかしながら、クラウドを活用する時代においては、多種多様なSaaSも利用している。クラウドストレージなどの利用も当たり前だ。これまではデータベースに格納されているデータだけを想定すれば良かったが、今はSaaSやクラウドストレージに分散するデータの活用を考えなければならない。
リレーショナルデータベースにおいては、SQLを用いてデータを取得できた。しかし、SaaSでは「データ取得にAPIを使います」と言うのは、CData Software Japan 代表社員 職務執行者の疋田圭介氏だ。SQLで取得できるようなデータに加えて、Web上にあるユーザーのアクティビティログや各種センサーのIoTデータなど多種多様なデータソースがあり、必要なデータがどこにどのような形であるのか容易に把握できない。これが、現場レベルでノーコード/ローコードツールを用いて、データを活用する際の大きな課題だ。
Microsoft Power BIやTableauなどのBIツールを使えば、さまざまなSaaSとも簡単に接続できるだけでなく、データの取得も容易だと考えるかもしれない。たしかに有名なSaaSのコネクタは用意されているだろう。しかし、便利なSaaSが次々と生まれており、それらに対するコネクタが用意されているとは限らない。つまり、連携するためのコネクタが不足しており、欲しいときにすぐに接続してデータを取得することが難しいのだ。
もちろん、「SaaSに用意されているAPIを使えば良い」と思われるかもしれない。しかしながらAPIは、エンジニアでなければ簡単につなげられない。加えて、サービス側で定められたルールに従ったリクエストを投げ、それに沿った結果が返されるものだ。そのため、使用しているツールに最適な形のデータが得られるとは限らない。
「REST APIならば、どれでも同じと思われがちですが、SaaSによってプロトコルが違えばデータモデルも異なります。さらに、Basic認証・OAuth 2.0・独自トークンなど認証方式も違い、さらにシングルサインオンなどを導入しているとデータ連携は大変です」と疋田氏。仮にコードを書いてAPI接続をしたとしても、データがリストではなく、1リクエストにつき1レコードしか得られないこともあるだろう。「ローコード/ノーコドツールに連携機能があったとしても、多くの場合は適切な接続やデータ整形のためのスクリプトを書く必要があるでしょう。これでは、プログラミングをすることと変わりません」と指摘する。
IT部門のメンバーもSQLには慣れていても、各SaaSのAPIに精通しているわけではない。API経由での接続を依頼したとしても、人手不足などで対応に数ヵ月以上かかることも普通だろう。仮にIT部門が作ってくれたとしても、マーケティング施策などを変更すれば欲しいデータが変わる。再度依頼すると、新たなデータ取得は何ヵ月も先になり、タイムリーなマーケティング施策は望めない。
データは待っていてもやって来ない、CDataは自ら取りに行く
データ連携ならば、いわゆるETLツールやiPaaSなどを活用すれば良いと考えるかもしれない。だが、こうしたツールにおいてもSaaSのコネクタと同様、広く流通していなければコネクタはない。特に海外製のツールならば、日本市場向けのサービスとのコネクタが用意されていないことが多い。結局はIT部門などに依頼してAPI連携の仕組みを作らざるを得ず、「いつまで経っても必要なデータはやって来ません」と疋田氏は述べる。
「そこで、データは待っていてもやって来ないため、自ら取りに行くことが必要です」と疋田氏。Data Connectivity as a Serviceを実現する「CData Connect」は、それを実現するためのソリューションだ。はじめから150を超えるSaaSやデータベースとのコネクタが用意されており、「データソースを選択して接続先を確認」「データを利用するクライアントを選択」「クライアントからCData Connect経由でSaaSにアクセスする」という、たった3つのステップだけでリアルタイムにSaaSデータにアクセスできてしまう。
CData Connectは、ETLなどのツールと似ているが“データの向き”が異なる点が特徴だ。ETLでは、データソースからデータベースに向けてデータを蓄積。その後、ユーザーはクライアントから該当データベースにアクセスする。つまり、データ取得までにワンクッション置くことになる。一方「CData Connectの場合、このデータが欲しいとなったら、誰も介さずにリアルタイムにデータソースに直接データを取りに行きます」と疋田氏。データが蓄積されるのを待つのではなく、ユーザーが好きなタイミングでデータを取りに行く。「これこそがユーザーが本当に求めていることです」と語る。
もちろん、データレイクやデータウェアハウスを構築して、大量のデータをAIや統計解析などを用いて高度な分析を行い、精度の高い予測を行いたいニーズもある。その一方で、DXで求められている“データの民主化”を実現し、ビジネス現場におけるデータ活用を促進するためには、リアルタイムで欲しいデータを取得できることが重要だ。そのためのハブとなるサービスが必要であり、それを実現しているのがCData Connectである。
ビジネス現場での活用を考慮して、各種ツールやアプリケーションからのSaaS接続のために、APIプログラミングは一切不要だ。もちろん、SaaSでの提供により、面倒なインストールやホスティングはいらない。また、ツール側で新たなコネクタを作成してカスタマイズする必要はなく、データウェアハウスのようにデータを保存せずに、リアルタイムでデータを受け渡せる。「No APIプログラミング」「No インストール/ホスティング」「No カスタマイゼーション」「No データ保存」という、“4つのNo”により、真のデータ民主化を実現する。