モビリティ社会の実現に取り組むウーブン・バイ・トヨタ
トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメントを前身に、2021年1月に設立されたウーブン・バイ・トヨタ。トヨタとのパートナーシップを明確にするため、2023年4月にウーブン・プラネット・ホールディングスから社名を変更した。現在は「Mobility to Love, Safety to Live」をビジョンに掲げ、自動運転に関連する新しい技術と先進的で安全なシステムを世界中に提供することをミッションに事業を展開している。
CASE(Connected, Autonomous, Shared, Electric)と呼ばれる技術革新が、クルマの概念を変え、社会のあり方を変えようとする中、このトレンドを踏まえ、トヨタ自動車前社長である豊田章男氏は、2018年に「トヨタはモビリティカンパニーになる」と宣言した。より幅広く、よりオープンに、より社会への貢献を追求する姿勢が新しいビジネスモデルの確立につながると考えたためだ。
そのトヨタは「トヨタモビリティコンセプト」を掲げ、クルマの価値の拡張、モビリティの新領域への拡張、モビリティと社会システムとの融合を進めている。この方針に則して、ウーブン・バイ・トヨタも、次世代車の開発に貢献すると同時に、誰もが自由に、楽しく、快適に移動できるモビリティ社会の実現に取り組み始めた。講演に登壇した若菜氏は「モビリティにはヒト、モノ、情報の3種類がある」と話す。この“3つのモビリティ”を実現するために同社が注力しているのが、以下である。
- トヨタのソフトウェア開発を牽引し、自動運転を実現すること
- 「Woven City」においてイノベーションを創出すること
- パートナーシップの拡大を通じて新しい価値の創出を追求すること
現在、クルマの知能化を加速し、モビリティソフトウェアの開発を支えるプラットフォーム「Arene」の開発を進めており、2025年の実用化、2026年には次世代BEVへの搭載という目標を掲げる。また、静岡県裾野市に置かれていたトヨタ自動車東日本株式会社の東富士工場の跡地に建設中のWoven Cityは、トヨタを始めとする様々な規模の企業の起業家、開発者、住民をパートナーに、実証実験を通じて様々なアイデアを試し、継続的な改善を実践していくことを目指している。