トレンドマイクロは、ID/パスワードでのログインが必要なWebサービスの利用者を対象に、Webサービスおよびパスワードの利用や管理の実態を調べる「パスワードの利用実態調査 2023」を実施し、その結果を発表した。
8割以上の利用者がパスワードを使いまわし
Webサービスの利用者(n=1,030)のうち、83.8%(863人)が複数のWebサービスでパスワードを使いまわしていることがわかった。2020年の調査でも85.7%が使いまわしをしていることが明らかになっており、微減傾向は見られるものの、いまだに多くの利用者がパスワードを使いまわしている状況がわかったという。
パスワードを使いまわしている利用者(n=863)に、ID/パスワードを使いまわす理由を聞いたところ、「異なるパスワードを設定すると忘れてしまう」(72.8%)、「異なるパスワードを考えるのが面倒」(48.6%)と回答する利用者が多かった。同調査では一人当たり平均14のWebサービスを利用していることが明らかになっており、様々なサービスを利用する中で、異なるパスワードを設定することに対する利用者への負担が依然として大きく影響していることがうかがえるとしている。
一方で利用者の9割近い89.8%が、「自身の個人情報やWebサービスのID/パスワードが流出することについて不安を感じるか」という質問に対して、「どちらかというと不安を感じる・不安を感じる」と回答。不安を感じながらもパスワード管理に関わる課題が利用者を悩ませている現状がわかるという。
約2割が不正アクセスや情報流出の被害経験あり
過去に不正アクセスや情報流出の被害経験があるWebサービスの利用者は17.7%(n=182)となり、被害経験者が約2割に上る。具体的な被害内容としては「クレジットカードの不正利用」(36.8%)が最も多く、続いて「利用しているWebサービスからの情報流出」(34.1%)となった。
約半数が被害後に対象アカウントのパスワードを変更
被害経験がある利用者(n=182)に被害後に行った対策を尋ねると、被害にあったアカウントにおけるパスワードの変更やアカウントの削除をしていることがわかったとのこと。これらの対応はある程度の効果は見込めるが、パスワードを使いまわしている場合には十分な対策とはいえず、「何もしない」と回答した利用者は1割以上の13.2%を占めた。被害に遭ったアカウントをそのまま保持することは、さらなる被害につながる可能性も非常に高くなるため、とても危険な状況だとしている。
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