IBMは、watsonxへの新たな生成AI基盤モデルの追加や機能強化を図る計画を発表した。
watsonx.aiに追加される基盤モデルおよびサード・パーティーの生成AIは以下の通り。
- Graniteシリーズ・モデル:9月末に追加予定。大規模言語モデル(LLM)の能力を支える「デコーダー」アーキテクチャを使用しており、要約、コンテンツ生成、洞察抽出といった企業向けの自然言語処理タスクを行う
- サード・パーティー・モデル:Metaの「Llama 2-chat」と、コード生成用の大規模言語モデル「StarCoder」をIBM Cloud上のwatsonx.aiで提供
同社は、watsonxプラットフォーム全体における新機能の提供開始に向けた計画もあわせて発表。
watsonx.ai
- Tuning Studio:同機能には、顧客が所有する企業データを使用して基盤モデルを顧客独自の下流タスクに適応することができるプロンプト・チューニングが含まれる(2023年第3四半期に提供開始予定)
- 合成データ・ジェネレーター:カスタム・データ・スキーマまたは内部データ・セットから、ユーザーが人工的な表形式データ・セットを作成できるよう支援
watsonx.data
- 生成AI:watsonx.dataにwatsonx.aiの生成AI機能を組み込む。会話型の自然言語インターフェースによるセルフサービス体験を通じて、ユーザーがAI用のデータを発見、拡張、視覚化、調整できるようにするという(2023年第4四半期に技術プレビュー予定)
- ベクトル・データベース機能:同機能をwatsonx.dataに統合し、watsonx.aiのRAG(Retrieval-Augmented Generation)ユースケースをサポート(2023年第4四半期に技術プレビュー予定)
watsonx.governance
- 生成AI向けモデル・リスク・ガバナンス:watsonx.governanceの技術プレビューを利用する顧客は、基盤モデルの詳細についての自動収集や文書化が可能になるほか、モデル・リスク・ガバナンス機能を利用することができる
また、watsonx.aiのイノベーションをハイブリッドクラウド・ソフトウェアやインフラストラクチャー製品に組み込む予定だとしている。
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