革新的なテレビ視聴調査が成長 裏側で挑んだデータ基盤の課題
REVISIOは独自開発した調査機器を家庭に設置し、「誰がテレビの前にいて、どれくらい継続視聴(注視)しているのか」という新たな切り口から、AIを活用した人体認識技術によって人々のテレビの前での行動をモニタリング・分析するサービスを提供している。同社 代表取締役社長 郡谷康士 氏は、「日本人は平均で1日2.5時間テレビを視聴しています。これは人生の約10%に相当する時間です。我々はそのデータを取得・分析し、広告主や広告会社、テレビ局などの関連プレーヤーに提供することで、効果的なテレビCMや番組制作をサポートしています」と語る。
これまでサービスの肝となる独自データを蓄積している基盤には、Amazon Redshiftを利用していたが、2022年12月にSnowflakeへ移行したという。データサイエンティストとしての経歴を持つ、REVISIO 執行役員の森下光之助氏は「大きく『速度・安定性・コスト』において課題を抱えており、ビジネスが拡大するにつれてデータ量はもちろん、管理が必要なサービスの種類も増加していくと計算速度が低下。データベースの状態が不安定になり、結果としてサービスを維持していくためのコストが増大するなど管理が困難になっていきました」と説明する。
各種製品やソリューションが溢れている中、データ基盤の移行において同社が目を向けたのが「Snowflake」だ。REVISIOにおいて開発チームとデータプラットフォームチームのマネージャーを兼務するエンジニアリングマネージャー 片岡基氏は「まずはトライアルを重ねながら期待するだけのパフォーマンスが出るのか、要件を満たすことができるのかを評価していきました」と振り返る。
もちろん、Snowflakeへの移行という決断を下すまでには、エンジニアチームでの長い調査だけでなく経営陣との議論もあった。
「そもそも経営陣全体で『サービスの安定性』を大きな課題と認識していました。日々大量のデータを蓄積しており、そのデータをクライアントのニーズにあわせて処理する必要があります。事業拡大していくにつれて課題が大きくなり、サービス提供に影響を与えかねません。そうした背景の下で議論を交わしていく中、Snowflakeが課題解決に合致していると移行を決断しました」(郡谷氏)