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NECが注力する「次世代データプラットフォーム」構築 “クライアントゼロ”による変革を関徳昭氏に訊く

『2025中期経営計画』達成に向けて“データドリブン経営”の実践目指す

Snowflakeによって、データ活用のスピード向上

 Snowflakeの導入にあたっては、これまでNECが運用してきたデータストアと併用する形で試用期間を設けながら、使用感や導入効果を検証。その結果、同社において積極的に利用を拡大していくことに。このとき評価したポイントの1つがAWSやGoogle Cloud Platform、Microsoft Azureなど大手クラウドベンダーと協同しているところだ。データを特定の環境下に留めなくとも活用できるSnowflakeのアーキテクチャについて関氏は高く評価する。

 「Snowflakeのような多様性と拡張性について、他のベンダーでは実現が困難でしょう。また、利用した分だけ支払う従量制の課金モデルも魅力的でした」

NEC コーポレートIT・デジタル部門 経営システム統括部 上席プロフェッショナル 関徳昭氏
NEC コーポレートIT・デジタル部門 経営システム統括部
上席プロフェッショナル 関徳昭氏

 実際に、NECの次世代データプラットフォームとしてSnowflakeを採用することに決定したのは2020年。そこから構築を進めていき、実運用が始まったのは2022年のことだ。現在のユーザー数は約3万人、データの種類も約900と順調に利用者とデータが増えている。特に効果を上げているのが「データの共有」である。各部門がSnowflakeのインスタンスを作ることで、部門間の共有も進んでいると関氏。「データ共有のコスト効率とスピードには、正直驚かされています。社内から相談を受けたとき、スタッフが簡単に操作できることを説明すると非常に喜んでくれていますね。Snowflakeを採用したことでデータ活用のスピードが圧倒的に速まっています」と強調した。

『2025年中期経営計画』達成に向け、データをさらに集約へ

 これらの取り組みが評価され、Snowflakeから贈呈されたものが「DATA HERO OF THE YEAR」というアワード。関氏は「嬉しくも少し驚いている」と明かした。その理由は、NEC全社でのデータ活用がまだ道半ばにあるからだ。「まだ、やりきっていません。しかし、データ基盤を立ち上げて『0から1のステージ』に達した。そこに対する評価と考えており、今後はよりデータ活用の輪を広げていきます」と意欲を見せる。

 NECの『2025中期経営計画』の達成に向け、成長を支えられるほど大きな存在となった次世代データプラットフォーム。今後も2025年に向け、さらにデータを集約していく予定だ。最後に関氏は、今後の抱負について次のようにコメントした。

 「2025年以降も、すべてがデジタル化された世界を目指していく中で、NECはデジタルカンパニーだと認知してもらえるよう取り組みを進めていきます。また、システムアーキテクトとしてはデータプラットフォームアーキテクチャを基盤としながら、会社や世の中の仕組みをデザインするような、より広範な“エンタープライズアーキテクト”として成長したいですね」

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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