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井無田仲と探る「変革のフロントライン」

オリックス生命保険 児玉英一郎×テックタッチ 井無田仲──DXに必要な「目利きの力」「IT人事施策」

IT企業4社を渡り歩いてきた、児玉氏の慧眼による「事業を強くする」DXの在り方


 2018年に経済産業省が「DX推進ガイドライン」を発表したことで、急速に広まった「DX」という言葉。DX推進と銘打ってさまざまな業務をデジタル化したものの、企業価値の創出や競争優位性の確立につながっていないケースも多いのではないだろうか。

IT企業4社を渡り歩き、オリックス生命保険の執行役員 IT本部管掌に

 オリックス生命保険は、これまで数々のIT技術を活用し、業務効率化と顧客満足度の向上を実現してきた。2020年には、IT部門に所属する社員に特化した人事制度「IT専門職制度」を導入し、ITのプロフェッショナルが活躍しやすい環境を整備。これらの取り組みが実を結び、同社のビジネスアジリティの実現に寄与している。では、“事業を強くする”DXに必要なこととは何か。同社の執行役員 IT本部管掌 児玉英一郎氏に、テックタッチ 代表取締役 CEO 井無田仲氏が話を訊く。なお、対談はテックタッチ代表取締役の井無田仲氏による、児玉英一郎氏へのインタビュー形式で進められた。

*     *     *

井無田仲氏(以下、井無田):児玉さんはオリックス生命保険のIT部門を管掌され、全社を対象としたDX戦略を推進しておられますね。まずは児玉さんのご経歴を教えてください。

児玉英一郎氏(以下、児玉):1999年に大学院を卒業して、最初に入社したのがITベンチャー企業でした。元々はテクニカルサポートとして配属されたのですが、すぐに営業に異動になりまして対面営業を1年間勤めました。その後、技術職に異動するのですが、社会人1年目での営業の経験は、その後のキャリアを形成する上でも非常に役立ちました。

オリックス生命保険株式会社 執行役員・IT本部管掌 児玉英一郎氏
オリックス生命保険株式会社 執行役員・IT本部管掌 児玉英一郎氏

 2社目の独立系SIerでインフラSE、プリセールス、ITコンサルティングなどを経験して、3社目となる日本アイ・ビー・エムで7年間、ITプロセスコンサルティングに従事しました。当時担当していた金融業界でも「クラウドコンピューティング」というキーワードを耳にするようになったころにセールスフォース・ジャパンへ転職し、カスタマーサクセスマネージャーとして最重要の顧客向けのアドバイザリー業務を担当しましたね。オリックス生命保険には、2015年にIT戦略部門の責任者として入社しました。

井無田:ご経歴をうかがって、ベンダーやコンサルティングファームなど、多様な場所に身を置いていたからこそ、多角的な視点から物事を捉えられているのだなと感じました。1社目の対面営業の経験がキャリアに役立ったとのことですが、詳しく教えていただけますか。

児玉:プロジェクトのデリバリーもコンサルティングも、成功させるためには「お客さまの真の期待」を正しく理解しなければなりません。対面営業として、お客さまに相対し、商談の発掘から成約までを1人で完結することを通じてそのような視点を身につけることができました。このときの経験は、その後コンサルタントとしてお客さまに様々なご提案をしたときや、ユーザー企業に転じてソリューションやサービスを選定する立場になった際にもいきています。

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オリックス生命保険が考えるDXとは

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この記事の著者

井無田 仲(イムタ ナカ)

テックタッチ株式会社 代表取締役慶應義塾大学法学部、コロンビア大学MBA卒
2003年から2011年までドイツ証券、新生銀行にて企業の資金調達/M&A助言業務に従事後、ユナイテッド社で事業責任者、米国子会社代表などを歴任し大規模サービスの開発・グロースなどを手がける。「ITリテラシーがいらなくなる...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

中釜 由起子(ナカガマ ユキコ)

テックタッチ株式会社 Head of PR中央大学法学部卒。2005年から2019年まで朝日新聞社で記者・新規事業担当、「telling,」創刊編集長などを務める。株式会社ジーニーで広報・ブランディング・マーケティング等の責任者を経て2023年にテックタッチへ。日本のDX推進をアシストするシステム利...

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