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ソニー・ミュージックソリューションズ「Tableauと生成AIで実現する次世代のデータ分析」

「Salesforce World Tour Tokyo」レポート

 セールスフォース・ジャパンは、6月11日と12日の2日間、「Salesforce World Tour Tokyo」を開催した。この記事ではその中の講演の1つ「Tableauと生成AIで実現する次世代のデータ分析」の内容を取り上げ、Tableauの最新機能とその機能をパイロットユーザーとして利用中のソニー・ミュージックソリューションズの取り組みを紹介する。

生成AIでビジネスユーザー向けのTableau Pulse

Salesforce Senior Director, Product Management, Tableau マシュー・ミラー氏
Salesforce Senior Director, Product Management, Tableau マシュー・ミラー氏

 最初に登壇したマシュー・ミラー氏は、「Tableau Pulse」と「Einstein Copilot for Tableau」の2つを紹介した。まず、Tableau Pulseはビジネスユーザー向けに提供するものになる。Tableau Pulseの特徴は、既存のダッシュボードの中の指標を深掘りし、ビジネスユーザーが注目するべき指標の詳細を提案するところまでを自動的に行うことにある。

 データドリブンで仕事をする企業で働くビジネスユーザーは、皆が自分の業務に関係する指標を見ながら仕事をしている。しかし、同じ会社にいても、役職や仕事の内容が異なれば、見るべき指標は変わってくる。Tableau Pulseはそれぞれにパーソナライズした形でKPIを抽出し、専用の画面にまとめてくれる。たとえば、ダッシュボードを見ていて、あるKPIが気になったとする。その数値に他の条件を追加して絞り込んだ結果を見たい。あるいは、なぜその数値の推移が停滞しているのか、その原因を探るために別の視点を加えて調べたいと考えるのはよくあることだ。そんなビジネスユーザーの頭に浮かんだダッシュボードを見ての疑問に先回りし、新しい質問と回答を提案してくれるのがTableau Pulseになる。

 「セルフサービスアナリティクスは素晴らしい。どんな疑問にも答えてくれる。しかし、ビジネスユーザーが重視するのは数値の裏側にあるものだ。指標を見ると、具体的に何が起きているかを知りたくなる。Tableau Pulseは自動的にその疑問に答えてくれるもので、ビジネスユーザーは次の行動に必要なインサイトをより速く得られる」とミラー氏は解説した。デモを担当した中南臣吾氏も「元々、TableauはKPIの抽出を得意としていたが、生成AIの活用でさらに進化した。Tableau Pulseは2週間に一度のペースでアップデートしている。ぜひ今後に期待してほしい」と呼びかけた。

 Tableau Pulseはすでに一般提供を開始しているが、日本語版での利用が可能になるのは2025年1月末を予定している。

Tableau Cloudに組み込まれたTableau Pulse 出典:セールスフォース・ジャパン [画像クリックで拡大]

TableauでもEinstein Copilotが利用可能に

 Tableau Pulseがビジネスユーザー向けであるのに対し、もう1つのEinstein Copilot for Tableauは、ダッシュボード作成者向けに提供するものになる。通常、ダッシュボード作成者は、重要なKPIを特定するデータアナリストでもある。ビジネスユーザーが必要とする情報のヒアリングからKPIを特定し、多くのデータソースを探索してデータを準備し、適切なViz(グラフや表)を選び、ダッシュボードに配置し、出来上がったダッシュボードをビジネスユーザーに提供する。

 この一連のプロセスのスピードアップに役立つのがEinstein Copilot for Tableauである。ミラー氏は、「Einstein Copilot for Tableauとは、最も賢いアナリストがダッシュボード作成者に伴走してくれるようなもの」と述べ、自然言語での対話を通してダッシュボードを迅速に作成できると説明した。ダッシュボードを運用していて、追加でやりたいことが出てきた場合も、Einstein Copilotに質問を投げかけることで、ブラッシュアップも迅速に行うことができる。

 また、Tableauのヘビーユーザーにお馴染みのLOD式の作成も、Einstein Copilotに任せられる。LODとは「Level of Detail(詳細レベル表現)」のこと。たとえば、1日の平均ページビュー数のグラフを見て、国ごとに地図上で表現したいと考えたとする。この場合、表現の粒度を詳細化するLOD式が必要になるが、やり方を知らなくても自然言語で依頼するだけで、Einstein Copilot はLOD式を作ってくれる。中南氏は「ダッシュボードを作るとき、普段から多くのテクニックを駆使していることだと思うが、Einstein Copilot for Tableauで生産性をさらに高めることができる」と述べた。

 2024年6月現在、Einstein Copilot for Tableauはベータ版(英語版)での提供に留まるが、まもなく正式版の利用が可能になるという。日本語での正式版の提供開始は2025年7月末を予定している。

セルフサービスアナリティクスのためのアシスタント「Einstein Copilot for Tableau」 出典:セールスフォース・ジャパン [画像クリックで拡大]

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国内初のTableau Pulseパイロットユーザーになったソニー・ミュージックソリューションズ

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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