2024年8月1日、Laboro.AIは、味の素が「献立作成エンジン」を開発したことを発表した。
Laboro.AIは、機械学習を活用したオーダーメイド型AI「カスタムAI」を提供する企業。2023年7月に東証グロース市場へ上場しており、AIによる価値創出を主眼に置いて事業展開を進めているという。同社 代表取締役CEO 椎橋徹夫氏は、「『バリューアップ型AI』をAI開発テーマとして定義し、サービス開発を進めていく」と述べると、同社サービスを利用して「献立作成エンジン」を開発した事例を紹介。味の素では、食事作りにおいて献立を考えることが負担になっているとして、必要な栄養やニーズを満たした献立を作成するためのエンジン開発を行ったという。
Laboro.AIでは、構想検討からPoC、システム実装までを手掛けており、味の素が保有するレシピデータの組み合わせで実現している。Laboro.AI シニアソリューションデザイナ 広瀬圭太郎氏は、「サービス提供者が献立作成エンジンを利用する際、栄養バランスや調理時間などを指定できる」と説明。具体的には、10,000超のレシピデータを料理ジャンルごとに分類し、その中から指定条件に一致するものを提案していく。実行システムやAPIの実装、運用フローの構築など、サービス提供における実装部分までも伴奏支援できるとする。
続いて、味の素 R&B企画部 マネージャー 勝美由香氏が登壇すると、「我々には減塩するにしても単に塩を減らすだけでなく、美味しさを損ねないためのノウハウなど、栄養に関する知見がある。『味の素パーク』で提供しているレシピのデータベースには細かな栄養素情報を付与しており、これをデジタル技術とかけあわせて多くの人に届けられないかと考えていた」と背景を紹介。栄養学としての正しさ、食を楽しむことの両立を重要視しており、“味の素らしさ”を実装することを目指して、献立作成エンジンの開発に至ったという。
2024年3月には、献立作成エンジンを利用した「未来献立」という自社サービスを提供しており、独自の栄養評価基準「JANPS」に基づき栄養バランスが考慮された献立を最大8日分提案することが可能だとする。また、明治安田生命「MYほけんアプリ」にて、同エンジンのAPIを利用した献立提案の機能実装が行われているという。「献立作成エンジンを活用した新規事業として、BtoB/BtoCの両輪で回していきたい」と勝美氏は述べた。