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Anthropic・Zoom・SlackのトップがBoxイベントで語る──生成AI時代の新しい働き方とAI規制対応とは?

BoxWorks 2024レポート


 BoxWorks 2024で、Anthropic、Zoom、Slackのトップが参加し、生成AIが生み出す働き方改革と革新の可能性について議論した。Anthropicのアモデイ CEOはAGIよりも実践的な活用を重視し、ZoomのユアンCEO、SlackのドレッサーCEOは業務効率化による新しい働き方の実現とAI規制の在り方を示唆した。

アモデイ氏がOpenAIを飛び出しAnthropicを創業した理由とは

米Anthropicの共同創業者兼CEOであるダリオ・アモデイ氏
米Anthropicの共同創業者兼CEOであるダリオ・アモデイ氏(左)。Google BrainやDeepMindの研究者として活躍した後、2021年にAnthropicを共同創業した。

 アモデイ氏は、OpenAIの研究者として活躍した後、2021年にAnthropicを共同創業した。同社の生成AI「Claude」は、長文の理解や専門性のある文書作成に定評がある。対談冒頭、アモデイ氏は「人間レベルの知的作業ができるAGI(汎用人工知能)は、いつ頃実現するか」というレヴィ氏の質問に対し、「AGIという単語自体が適切ではない」としたうえで、以下のように説明する。

 「その質問は(半導体のトランジスタ集積率が18ヵ月で2倍になるという)ムーアの法則に対し、『スーパーコンピュータはいつ実現するのか』と問うのと同等だ。スーパーコンピュータは単により強力なコンピュータに過ぎない。同様にAIの進歩は連続的な指数関数的進歩であり、特定の時点で『AGIが実現した』と区切りを付けることは適切ではない」(同氏)。

 なぜアモデイ氏はOpenAIを飛び出してAnthropicを創業したのか。その背景について「規模よりもモデルの『操縦』が重要だと気付いたことが大きい」とし、ロケットを例に以下のように説明する。

 「ロケットにおいてモデルはエンジンで、データは燃料に相当する。データが大量にあればモデルはパワフルに稼働するが、(目的の場所に到達するには)モデルを精密に『操縦』する必要がある。その操縦に相当するのが信頼性と予測可能性の確保であり、実用化における重要な鍵となる」(同氏)。

 同社はClaudeに「Constitutional AI(憲法的AI)」という独自のアプローチを採用している。憲法的AIとはAIシステムに倫理的な価値観や行動指針を組み込む手法で、Claude開発の中核を担う考え方だ。実際、この方針は現在のAnthropicの急速な成長につながっている。レヴィ氏も「企業が生成AIを本格的に導入する際、最も重視するのが信頼性と制御可能性だ」とコメントし、大規模言語モデルが持つ潜在的な能力を安全かつ効果的に引き出すかが、企業にとって最重要課題であると指摘した。

 さらにアモデイ氏は、生成AIの将来を展望するうえで重要なのは、AGIのような漠然とした概念ではなく、実践的なマイルストーンに注目すべきだと強調する。

 「より具体的な指標として、AIモデルが企業の専門的な業務を確実に遂行できるようになる時点を見極めることが重要だ。たとえば、金融、法務、医療、保険、生産性、ソフトウェアプログラミングといった分野で、専門家が信頼できるレベルの作業を生成AIが実行できるようになることを目指すべきだろう。これらの能力は、今後2年間で段階的に実現されていくだろう」(同氏)。

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ZoomとSlackのCEOが提案するAI時代の新しい働き方

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この記事の著者

鈴木恭子(スズキキョウコ)

ITジャーナリスト。
週刊誌記者などを経て、2001年IDGジャパンに入社しWindows Server World、Computerworldを担当。2013年6月にITジャーナリストとして独立した。主な専門分野はIoTとセキュリティ。当面の目標はOWSイベントで泳ぐこと。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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