デジタルの匂いしかしない新工場とSUBARUの価値づくり(SUBARU 辻󠄀裕里氏)
2024年を振り返って
自動車業界は100年に一度の大変革期にあります。「ひとつのSUBARUとなり、モノづくりと価値づくりで世界最先端を目指す」という経営方針を支えるために、「ひとつのSUBARUはひとつのITから」の精神で情報子会社統合、技術IT統合、グローバル連携を進め、ITのOne Team化を実現しました。
IT戦略本部は5倍規模になりました。生成AIなどの新技術を積極的に取り入れてプロセス改革に挑戦し、また、市民開発やITアカデミー設立など、全社員のスマートエンプロイ化を目指した取り組みも具体化しました。
2024年は、ひとつのIT基盤づくりに注力し、CIO1年生としてやれることは全てやった年だと評価しています。全部、仲間のみんなが頑張ってくれたお陰です。
SUBARU
執行役員 CIO IT戦略本部長
辻󠄀裕里氏
IBMでSEになり、結婚を機にSEと女性就業支援の週末起業のダブルワークを実践。子育てのため地元製造業サンデンに移りIT部長を経てCIOに3年従事。2019年にSUBARUに移り、情報システム部長としてコロナ対応で社内をデジタル化。ITとサイバーセキュリティと総務を兼務しITを基軸とした働き方改革を推進。今年4月より現職で効率的で働きやすい会社づくりをしています。CIOは別名チーフ癒し系お母さん。
2025年の展望
2025年は自動車業界にとって、さらに激動の年になるでしょう。クルマの電動化のスピードは市場と規制で変わるため、足の長いモノづくりには大きく影響します。コネクテッドサービスや外部サービスはさらに充実しますが、比例してサイバーセキュリティリスクの脅威も高まります。異業界からの参入は業界の常識を軽く超えていくでしょう。この激動を変化のチャンスと捉え、2025年はひとつのIT基盤づくりを進化させると共に、IT/デジタルの力を以下2つの経営方針実現に注力します。
①開発LT・部品点数・生産工程半減のトリプルハーフのモノづくり
データからモノづくりプロセスを見直し、AIやオフショアを積極的に取り入れてスピードをもってデジタルの匂いしかしない新工場を目指します。
②減価ゼロを実現する価値づくり
コネクテッドサービスの充実を図り、データで裏付けされたアフターサービスでお客様の安心と愉しさに寄り添います。