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JALインフォテックが厳しいスケジュール下で挑んだシステム刷新──次に見据える「“真”の市民化」とは

 日本航空(JAL)のIT業務を支えるJALインフォテックは、社内システムのクラウド化に向けた取り組みの一環として、iPaaS(Integration Platform as a Service)のWorkatoを活用。基幹システムにおける連携基盤の刷新を進めている。2024年4月に入社し、この取り組みに携わる濱本結月氏は、同年11月27日に開催された「Automate Tokyo 2024」にて、システム刷新プロジェクトの背景や経過、実践での工夫、さらにはその先に目指す展望を語った。

レガシーシステムでは限界に……刷新プロジェクトが動き出す

 JALのIT業務を支えるJALインフォテック。航空券の予約や自動チェックインシステムのほか、保安検査場や搭乗ゲートで使われるシステムの開発なども手掛ける。さらには、JALグループで培った技術力や発想力を武器に、業務効率化を支援するパッケージソフトやコールセンターシステムなど、他社向けサービスの展開も進めているという。

 一方で、多方面への事業拡大に伴って社内の業務プロセスが複雑化し、効率が低下するという課題が浮上していた。この問題に対応するため、JALインフォテックのビジネスプロセス変革グループは、横断的な業務プロセスの見直しとデータの利活用を目指し、社内のシステム刷新プロジェクトに着手した。

 当時、社内システムはオンプレミス環境に依存しており、データ連携システムもその中に構築されていたと濱本氏。しかし、これらのシステムはレガシー化が進み、各システム間の連携が困難な「サイロ化」の状態に陥っていたと話す。一部には、社員マスターのように共通で利用できるデータは存在してはいたものの、基本的には個別のシステム内で完結しており、統合的なデータ活用はほとんど実現されていなかったという。

 サイロ化に陥っていた当時の社内では、別システムにあるデータをまた別のシステムに手作業で再入力するなど非効率な業務が存在しており、マンパワーを有効活用できない状況があった。さらに、旧データ連携システムでは、初期設定された連携フローがそのまま利用されており、障害が発生した際にも最低限のメンテナンスが施されるに留まっていた。そして、改善の要望が上がっても対応できる人員が限られていたため、変革が思うように進まない状況だった。

 こうした課題を受け、ビジネスプロセス変革グループは、各システムが個別にデータを管理している現状を打破し、横断的なデータ活用を可能にする業務プロセスとシステムアーキテクチャの構築を目指した。そんな中、旧データ連携システムの保守期限切れが迫り、2024年9月にオンプレミス環境を終了させる決定が下されたという。この動きを契機に、各システムの刷新が進められ、まずはデータ連携システムの切り替えが先行して実施されることになった。

 2024年4月に入社した濱本氏はすぐにビジネスプロセス変革グループに配属され、この新たな取り組みに携わることとなった。同氏は当時を次のように振り返る。

 「前職では病院のシステム刷新に携わった経験がありましたが、与えられた指示に従う形で仕事を進める場面が多く、自分のアイデアを活かす機会は限られていました。しかし、JALインフォテックでは自ら提案し、積極的にプロジェクトに関わりたいと考えて採用に応募しました」(濱本氏)

 新しいシステムを選定するにあたり、同社は従来システムの課題を改めて整理した。第一の課題は、旧データ連携システムがオンプレミスで運用される前提であった点だ。今後、周辺システムが順次SaaSに切り替わっていくことを考えれば、旧データ連携システムがオンプレミスにあることは足枷となる可能性が高かった。

 第二の課題は、連携先の追加や変更があるたびにコネクタを購入する必要があった点だ。この仕組みは、周辺システムのライフサイクルを阻害する一因となっていた。そして第三の課題は、旧システムにおける属人化が進んでおり、対応できる人員が限定されていた点だ。機能や連携の仕組みがわかりづらかったため、システムを理解している担当者に業務が集中していたのだという。

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厳しいスケジュールの中、Workatoで刷新に着手

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

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