GitHubは、「GitHub Copilot」の新機能および機能強化を発表した。
新機能には、複数ファイルにわたる変更を自動実装するエージェント機能、Next Editコード提案機能(Next Edit Suggestions)による自動予測と実行、そしてGitHub Copilotのカスタマイズ指示をエディタ内に保存・共有する機能が含まれるという。また、GitHubは新しい自律型SWEエージェントの初公開、Copilot Editsの一般提供(GA)、GoogleのGemini 2.0 FlashおよびOpenAIのo3-miniのGitHub Copilot ChatおよびCopilot Editsへの導入、GitHub Copilot Workspaceのエンタープライズ向けサポートを発表。これらの新機能を活用することで、組織は開発者の生産性を向上させ、コードからプロダクションまでの時間を短縮できるとしている。
Visual Studio Codeプレビュー版の新機能は次のとおり。
- エージェントモード(Agent Mode):GitHub Copilotが自らの出力結果を検証・修正しながら、ユーザーの指示を一度で実行し、エラーを自動で検出・修正。ターミナルコマンドを提案し、ユーザーに実行を促す。また、ランタイムエラーを解析し、自己修復(セルフヒーリング)を実行
- Next Editコード提案機能(Next Edit Suggestions):コード変更の加速を実現し、過去の変更内容のコンテキストを基に、次に行うべき編集を自動で提案。Tabキーを押すだけで、開いているファイルに挿入・削除・置換を適用可能
- プロンプトファイル(Prompt Files):VS Code内でプロンプトのテンプレートを保存・共有し、再利用可能に。マークダウン形式で、自然言語の指示やファイル参照、コードスニペットを統合。より高度なコーディング作業を支援する「設計図(Blueprint)」として活用可能
- Vision for Copilot:スクリーンショットや画像を基に、GitHub CopilotがUIを自動生成。altテキストや関連コードも自動作成し、デザインから実装までを数分で完了
- 新しいAIモデルの追加:GitHub Copilot Chatのパブリックプレビュー版では、最新AIモデル、GoogleのGemini 2.0 FlashとOpenAIのo3-miniが利用可能。また、組織全体でのアクセス制御が可能となり、管理者が開発者に使用させるモデルが選択可能に
加えて、GitHubは、Enterprise Managed Users向けにGitHub Copilot Workspaceの新たなプロビジョニングと認証機能を発表。同発表により、企業はGitHub Copilot Workspaceへのアクセスを安全に管理し、開発チーム全体でエージェント機能の活用が可能になるという。GitHub Copilot Workspaceのエージェント機能では、開発者が短時間でブレインストーミングからコードの実装まで実行できるとしている。計画を生成、コードを実装、自動でエラーを検出して修正するまで、複数のサブエージェントが連携し、開発者と一緒に反復作業を行うことで、チーム間のコラボレーションを効率化するという。
GitHubは、開発者の指示のもとでタスクを独立して処理する完全自律型AIエージェントの構想「Project Padawan」を発表。開発者がGitHub Copilotに課題を割り当て、AIに自律的にタスクを完了させ、開発者はその作業をレビューする未来を表しているという。GitHubは、GitHub Copilot Extensionsやマルチモデル対応と同様に、AIネイティブなワークフローへの統合を推進し、パートナーやユーザーのフィードバックを取り入れながら開発を進めていくと述べている。
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