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安定経営の「真面目すぎる社風」を追い風に──老舗・キッツで“黒船CIO”が組織の沈黙に切り込む

「CIO Japan Summit 2025」セッションレポート


まずは就業環境をモダン化──わかりやすい変化で全社を巻き込む

 石島氏の変革戦略は段階的だった。いきなりDXを推進するのではなく、まず2019年から2020年にかけて「働き方大改革プロジェクト」を立ち上げた。

 「私のような外部から来た人間がいきなりDXと言っても、『あいつは何もわかってない』と言われるだけ。まず信用を得るためにも、日常業務の効率化から始めることにしました」(石島氏)

 すべての固定電話をスマートフォンに置き換え、Microsoft 365(OutlookやTeamsなど)やBoxを導入し、社内ポータルサイトを構築。情報公開を徹底するとともに、社内向けの動画コンテンツ制作のためのスタジオも設置した。動画コンテンツは多言語対応機能により、日本語で作成したものを英語や中国語でも配信できるため、テキストで各言語版を個別に作成する手間が大幅に削減された。

 特に情報共有の改善では、単にシステムを導入するだけでなく、検索性の向上にも工夫を凝らした。Power BIと組み合わせることで、増加する情報を簡単に検索・取得できる仕組みを構築。製造現場ではLINE WORKSを展開し、現場スタッフにもタイムリーな情報配信を可能にした。

 ペーパーレス化については、当初は従業員の反応が今ひとつだったため、社長自らがトップダウンで推進することにした。社長名でペーパーレス推進のメッセージ動画を作成し、「とにかく徹底的に紙をなくすように」という強い号令をかけた結果、法的に残さなければいけないものを除いて、オフィスや営業所を含む全社で真の意味でのペーパーレスを実現した。

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 業務自動化についても、IT部門がすべて対応するのではなく、各部署の担当者が自分でRPAを作成できるよう教育・サポート体制を整備。現在では1,500人の従業員のうち300人超が、自部署の定型業務を自動化するRPAツールを独自に開発・運用できるレベルに達している。

 「従業員たちは当初、デジタルツールの活用に積極的ではなかったのですが、2020年にコロナ禍が来て状況が一変しました。リモートワークが必要になり、紙ベースでは仕事ができなくなった。『(デジタルツールが)あるじゃないか、使えばいいじゃないか』という感じで、手のひらを返すように会社全体が変わりました」(石島氏)

 コロナ禍は石島氏にとって大きな追い風となった。強制的にデジタル化せざるを得ない状況が、変革への抵抗を一気に取り払ったのだ。

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2022年からようやく本丸へ:データに基づいた業務を徹底

 働き方改革で組織の土壌を変えた後、2022年から本格的なDX推進に移行した。社長をオーナーとするDX統括組織を設立し、全部門から224名の「仮想DX部隊」を編成。DXのためのKPI設定と数値目標を明確化し、「徹底的なデータ化のうえで分析して、データドリブンにする。全員参加の会社変革をする」ことを掲げた。

 営業部門にはSalesforceを導入したが、石島氏は「単なる見積もり処理ツールではなく、真の営業活動支援ツール」として位置づけた。「営業活動は見積もりを取る前の工程こそが肝。お客様と直接話して課題を認識し、それをシステムに登録して分析することで、より効果的な営業が可能になる」と営業部門を説得した。

 製造現場では重量による部品在庫管理システム「スマートマット」を導入し、データ分析教育も全社に展開。「IT部門が何から何まで担当するなんてありえない。簡単なものであれば、自分たちでやる」という方針で、教育とサポート体制を充実させている。

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人材獲得難の時代「シニア人材」に脚光

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この記事の著者

加藤 智朗(カトウ トモロウ)

 Forbes JAPAN編集部を経て、フリーの編集・ライター。経済誌・経済メディアで編集、企画、制作管理、デスク、執筆などを担当。関心領域はスタートアップや海外動向をはじめ、ビジネス全般。ポートフォリオ(制作実績など)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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