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トライアルの西友買収でどんな“化学変化”が起こるのか?──技術革新を担うRetail AIに訊く

#5:Retail AI 代表取締役 COO 永井義秀氏

 トライアルホールディングスは、7月1日付けで西友の全株式を取得し、完全子会社化を完了した。今後はセルフレジ機能付き「スキップカート」や顔認証決済機能付きのセルフレジといった店舗DXの強化、出店拡大、商品開発など多方面でグループシナジーを追求する。トライアルの技術革新を担うRetail AI 代表取締役 COO 永井義秀氏は、「異なる商圏と顧客を持つ両社のデータが融合することで、さらに深く広い顧客理解が可能になる」と語る。それぞれの強みを生かし、ともに描く未来像とは。

「店舗数の足し算ではない」西友とトライアルの使い分けで“共存”

 近所の西友で、ついにトライアルとの経営統合を記念する生活応援キャンペーンが始まった。店頭のポスターには、「わたしたちは、店舗数の足し算をしたいのではありません。強みと想いを掛け合わせることで、ともに流通の世界に変革を起こしたい」とある。

 トライアルといえば、国内の小売DXをリードする存在。九州を中心に358店舗(2025年9月末時点)のディスカウントストアを展開している。一方の西友は、首都圏の駅前を中心に244店舗(2025年9月末時点)を擁し、プライベートブランド「みなさまのお墨付き」で親しまれる食品スーパーマーケットだ。

 筆者は、2019年にスマートストアとしてリニューアルしたばかりのスーパーセンタートライアル 田川店(福岡県)を取材し、スマートショッピングカート(スキップカートの当時の呼び名)の滑らかな押し心地とウォークスルー決済の快適さに魅了された。近所にあったら毎日利用したいと切望し、2020年に長沼店(千葉県)に導入された際には、「ついに関東にも」と心躍らせて取材に向かったものだ。5年後、こんな形で実現することになろうとは、思いもしなかった。

 トライアルと西友の経営統合で気になるのが、両社が蓄積してきた顧客データをどう活用していくのかという点だ。永井氏は、「トライアルは九州・地方圏を得意とし、西友は首都圏に強みを持つ。商圏が異なるため、それぞれ違った顧客データが蓄積されている」と説明する。

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株式会社Retail AI 代表取締役 COO 永井義秀氏

 トライアルはメーカーと顧客データを共有し、売り場の改善や商品配置の最適化、販促活動などに活用してきた。一方の西友も、米ウォルマート傘下時代のノウハウや楽天とのネット通販、ID-POSデータ活用で培った経験など、独自の知見を持つ。

 永井氏は、「両社のデータとノウハウを融合すれば、さらに顧客理解が進み、様々な施策に生かせるようになるだろう」と期待を込める。

 この構想を具現化するのが、西友店舗周辺への「トライアルGO」の出店という。トライアルGOは、顔認証決済などの最新技術で省人化を実現した小型店舗。これまで福岡県を中心に展開してきたが、首都圏でも年内に試験出店する方針だ。

 週末のまとめ買いは西友で、日常の買い物はトライアルGOで。こうした使い分けにより、同じ商圏で顧客の購買行動を包括的に把握できるようになりそうだ。

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引用:プレスリリース

トライアルホールディングスと西友の経営統合が完了 西友の新社長に楢木野 仁司が就任」(2025年7月2日)

クリックすると拡大します

基幹システム統合は「急がず着実に」

 もう一つ気になるのが、基幹システムの将来像だ。西友は、2024年にウォルマートのシステムから独立した基幹システムの刷新を完了したばかり。トライアルも独自システムを運用している。

 今は互いの状況把握に務めている段階だというが、一般に、経営統合による基幹システムの統合には困難がつきもの。「どちらか一方に合わせるのではなく、うまくシナジーを生み出していきたいと考えています。まだ短期間ですが、濃密な議論ができています」と永井氏は話す。

 加えて人材融合の重要性も強調する。「ITだけでなく、店舗から本部まで様々な人材が融合できることが大きな強み。こちらも相互の強みをかけ合わせることがテーマです」と力を込めた。

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リアル店舗はもっと進化できる Amazon、ウォルマートに追従

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この記事の著者

酒井 真弓(サカイ マユミ)

ノンフィクションライター。アイティメディア(株)で情報システム部を経て、エンタープライズIT領域において年間60ほどのイベントを企画。2018年、フリーに転向。現在は記者、広報、イベント企画、マネージャーとして、行政から民間まで幅広く記事執筆、企画運営に奔走している。日本初となるGoogle C...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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