NetSuite導入で見えてきた「3つの課題」に挑戦へ
講演の最後に成家氏は、新たに挑戦したい点を3つ示した。1つ目は、予実管理の効率化だ。
「建設プロジェクトは金額が大きく、工期も長期に及ぶため、財務P/Lだけでなく受注情報の予実管理も重要です。現状NetSuiteでカバーできていない部分については、レポート作成や拡張機能で対応していきます」(成家氏)
2つ目は、経営指標の見える化。データの一元管理は進んだ一方、経営指標として十分に活用できていないという。ダッシュボード機能を活用してレポートを拡充することにより、経営層が常に指標を確認できる環境を整備したいと成家氏は意気込む。
3つ目に挙げたのは、新拠点への展開。「今後、新しい国に現地法人や営業所を設立する際、同じシステム環境とコンセプトで導入できるため、安価かつ短期間で同様の管理レベルを実現できます」と成家氏は期待を込める。
今回、クボタが取り組んだNetSuiteの3ヵ国同時導入プロジェクトは困難の連続だったが、着実に成果を上げている。その裏にあるのは、リスクを織り込んだ導入・稼働計画と、失敗から素早く学ぶ姿勢だ。これがグローバルにおける、クラウド型ERPの導入成功のポイントとなりそうだ。
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古屋 江美子(フルヤ エミコ)
フリーランスライター。大阪大学基礎工学部卒。大手通信会社の情報システム部に約6年勤務し、顧客管理システムの運用・開発に従事したのち、ライターへ転身。IT・旅行・グルメを中心に、さまざまな媒体や企業サイトで執筆しています。Webサイト:https://emikofuruya.com
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