日本IBMが主催する「Pulse Japan 2010」が2010年5月18日、グランドプリンスホテル赤坂の五色の間で開催された。基調講演ではTivoliのサービスマネジメントをはじめとするクラウド時代のIBMの最新テクノロジーといくつかの買収後の成果ソリューションが発表された。
企業のクラウド適用は4段階
午前中は、クラウドコンピューティングプラットフォームのCTOであるクリストフ・クロークナー博士による特別講演。米国IBM最先端クラウド・データセンターとサービスマネジメントについて語った。
続いて行われた基調講演では、ソフトウェア事業部Tivoli事業部理事事業部長の荒川朋美氏が登壇。「クラウド時代の成功の要。インテグレーテッド・サービスマネジメント」と題した講演を行った。
Tovoliの製品分野での責任者でもある荒川氏は、クラウドの適用ステップをサービスマネジメントという視点から、1)仮想化統合段階、2)標準化、自動化による初期クラウド、3)サービス品質向上によるビジネスクラウド段階、4)全体最適を図るハイブリッド段階の4段階に整理。そのすべてにおいて、サービスマネジメントが重要な要であることを強調した。

仮想化の段階では、Hypervisorや各種機器のコンソールを統合し一元管理することで広範囲な機器、リソースに対応するプロビジョニングを可能にするプロビジョニングが重要となる。
「仮想OSの管理にかかるコストはそのままではどんどん増える。標準化、自動化していかないとシステム管理はますます困難になる。」として、標準化された資源を自動的に割り振るプロビジョニングのためのTivoliサービス・オートメーション・マネージャを紹介した。
プロビジョニングツールといえば、VMWareやHyper-Vにおいてももちろん提供されている。しかし、クラウド環境の仮想化のメリットを享受するためには、サーバー内だけではなくストレージ、ネットワーク機器、物理機器、論理機器のプロビジョニングを統合化する必要があるのだという。
このプロビジョニングのためにIBMはINTELLIDENという企業を買収した。これにより従来のVMWareなどのプロビジョニングを使いつつ、統合的なプロビジョニングの管理には、Tivoli Provisioning Manager(TPM)を使うことが有効になる。

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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