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Sunを融合した新生Oracleのクラウド戦略

クラウドに必要な仮想化ソリューションを大きく拡大

もう1つの特徴は、Oracleのクラウドが伸縮自在であるということ。通常の仮想化は、大きなリソースを細かく分けて使うことには長けているが、Oracleグリッドは細かく分けるだけでなく分散と統合を自由にできる。「クラウドではいらなくなったら捨てられることが必要。グリッドの伸縮自在なところは、クラウドでは極めて重要」と野々上氏。伸縮自在なのは、Oracleグリッドだけだと自信をみせる。

また、融合メリットの1つとして、クラウドのインフラで利用する仮想化技術のラインナップが増えたことにも言及。もともと、Oracle VMという仮想化ハイパーバイザーがあったが、これに加えSun SPARC Enterprise Mシリーズで利用するDynamic Domain、Sun SPARC Enterprise Tシリーズで利用するLogical Domain、すべてのSunのシステムで利用できるSolaris Containersが加わり、用途や目的に応じこれらの選択が可能となった。

さらにストレージにおいても、Oracleのストレージ仮想化技術のAutomatic Storage Managementに加え、Oracle VM Storage Connectの利用でさまざまなベンダー製品によるハイブリッドなStorage Poolの実現も可能となった。また、Oracle Virtual Desktop Infrastructure、Oracle Secure Global Desktop、Sun Ray、Oracle VM VirtualBoxといった技術の利用で、デスクトップの仮想化までもOracleは手に入れたのだ。

さまざまなクラウドの高い要求に応えられるハードウェア

ここから野々上氏は、次世代のクラウド時代に最適化されたサーバーハードウェアの紹介を行った。アプリケーションによって、サーバーに求められる負荷は異なる。並列処理を求めるものもあれば、シングルで高速な処理が必要なものもある。また、ストレージやネットワーク負荷に強いものを求める場合もある。たとえば、オンラインゲームのサイトのサーバーは、1つ1つのCPU処理は軽いが同時に大量のトランザクションをこなすひつようがある。これには、スレッド処理に優れているサーバーが必要となるとのこと。

Oracleでは、さまざまなアプリケーション要求に応えられるハードウェアを網羅する形で用意している。たとえば、マルチスレッドで並列処理に強くストレージI/Oにも高い処理能力が求められる場合にはSPARC64プロセッサを搭載したサーバーを、シングルスレッドで高速な処理が求められる場合はクロック周波数の高いx86アーキテクチャのCPUを搭載したマシンを、クロックは速くないが極めてマルチスレッド処理に強いUltra SPARC Tシリーズプロセッサを搭載したマシンでは、大規模アクセスがあるWebサイト運用などに向く、といった具合だ。

さらなる優位性として紹介されたのが、Flashメモリ技術だ。フラッシュアレイのSun Storage F5100は、2TBものFlashメモリを1台で搭載できる。I/O性能で比較すると、ハードディスク7000本分に相当し、これにはフルラックで14本ものスペースが必要だ。これに対してF5100は、小さなラックマウントサーバー程度の大きさに過ぎず、スペースだけでなく消費電力も大きく削減が可能だ。さらに、このフラッシュメモリはディスクの代わりに利用するだけでなく、Oracle技術との融合でデータベースのメモリ空間としても利用できる。2TBものメモリ空間が確保できればデータベース性能は飛躍的に向上し、これこそが新生Oracleの大きなメリットでもある。

そして、「パブリッククラウドではコモディティ化した安価なハードウェアを大量に導入して利用するイメージがあるが、プライベートクラウドでは基幹系システムを動かすことになるので、信頼性の高い統合型の大規模サーバーを利用することも多い」と野々上氏。さらに、Sun Blade 6000のように、高密度なブレードサーバーもOracleにはある。これは、高い演算能力を発揮し並列処理にも強く、Oracle VMと組み合わせで同じ筐体でSolaris、Linux、Windowsの稼働も可能であり、管理を1つにできるメリットがある。このように、パブリックだけでなくプライベートクラウドのさまざまな要件に応えられるのが、新生Oracleなのだ。

Sun Fire x86 Clustered System
 

さらに力を入れて紹介したのが、最新のSun Fire x86 Clustered System。Sun Fire X4800は8コア、8ソケットで、最大64スレッドで稼働する。「これは、とくにSolarisで利用すれば高い信頼性のもと、大きな拡張性が得られる」と野々上氏は語る。また、Sun Fire X4470は、高さ3Uの筐体にFlashメモリを576GBも搭載でき、これ1台だけでデータベースサーバーとして大きな性能を発揮できるサーバーだ。

Oracleのハードウェアとソフトウェアを組み合わせで、クラウドの理想のプラットフォームが提供できる。SunとOracleが統合したことで、仮想と物理の整合性もどんどん進化し、これに管理の一元化も加わりまさに「SOFTWARE. HARDWARE. COMPLETE.」を実現するものとなった。「これからもどんどん新しいソリューションが登場する新生Oracleに、さらに期待して欲しい」と野々上氏は自信をみせた。

このようにOracleでは、これらさまざまな仮想化サーバーの要件に最適なサーバー、ストレージ、ネットワークスイッチなどのハードウェアを提供している。極めて大量なメモリを搭載可能、高度なマルチスレッド処理を実現、シリコンディスクも活用し大規模なディスクI/Oを高性能処理できるといったサーバーが用意され、それらを目的に応じ適宜選択が可能だ。

さらに、それらを実際に組み合わせ必要な性能が発揮できるのか、十分な信頼性が確保できるのかといったことの検証も行っている。

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コモディティ化したハードをたくさん並べるのはすでに時代遅れ

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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