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EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

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2026年冬号(EnterpriseZine Press 2026 Winter)特集「AI時代こそ『攻めの経理・攻めのCFO』に転じる」

冨永裕子の「エンタープライズIT」アナリシス

2026年のソフトウェア開発を激変させる「6大トレンド」──コード実装が焦点ではない時代に突入

脱中心化するIDEから顧客常駐型エンジニアFDEまで ガートナーが示すAI時代の生存戦略

 ソフトウェアエンジニアリングリーダーたちは、現在多くの変化に直面している。6月17日から18日にかけて行われた「ガートナー アプリケーション・イノベーション & ビジネス・ソリューション サミット」では、この変化に対応するために押さえておくべき「6つのトレンド」が提示された。

バイブコーディングから始まったソフトウェア開発の大変革

 コーディングエージェントが2026年のソフトウェア開発に及ぼす影響について、Gartnerのバイスプレジデント アナリストであるヨアキム・ヘルシュマン(Joachim Herschmann)氏は、以下の6大トレンドを挙げた。これらは「開発プロセスにAIをどう組み込むか」、そして「AIそのものを開発するためにプロセスをどう適応させるか」という2つの視点に分類される。

画像を説明するテキストなくても可

図1:ソフトウェア開発における2026年の6トレンド

出典:Gartner(2026年6月)

[クリックすると拡大します]

 一つ目のトレンドが「AIネイティブ開発プラットフォーム」である。これに該当するものがバイブコーディングツールやコーディングエージェントだ。OpenAI 共同創業者のアンドレイ・カルパシー氏が提唱したバイブコーディングは、数ヵ月でもともとの発言が意図していた市民開発のための方法論から別の方向に進化した。ヘルシュマン氏は「IDE(統合開発環境)でコードを書くのとは異なるやり方でソフトウェア開発ができる。チャット型インターフェースに自分の意図を伝えると、ツールは残りの作業をやってくれる。彼はそのことを言いたかったのだと思う」と述べる。

 話題になってから程なくして登場したのが、プロ開発者向けのツールだ。バイブコーディングツールとの共通点は、自然言語で作りたいプロダクトの意図を入力すると、数段階の変換を経て、最終的にコードを出力することである。しかし、開発者のペルソナは違っても、実際のプロ開発者は目的によってツールを使い分けることがわかってきた。たとえば、手っ取り早くプロトタイプを作ってみようと思い立ったとき、普段は使わないバイブコーディングツールを使うといった具合だ。AIネイティブ開発プラットフォームは、ソフトウェア開発に激震をもたらした。

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Gartner, Inc. バイス プレジデント アナリスト ヨアキム・ヘルシュマン(Joachim Herschmann)氏

コードではなく「仕様」が最重要の成果物に

 2つ目の重要なトレンド「仕様駆動開発」とは、仕様をAIエージェントに提供し、AIエージェントにコードを書いてもらう開発のことを指す。「重要な成果物はコードではなく仕様」とヘルシュマン氏は強調した。仕様は自然言語で記述するが、作るのはドメイン知識を持つプロダクトマネージャーである。仕様は人間が読めるものであると同時に、AIエージェントにも理解できるものでもある。継続的にメンテナンスを行い、より精緻なものにしていく。そして、ビジネスを取り巻く環境が変化したら、仕様の見直しを行う。

 人間はコードを書かずにAIにやってもらう。だからこそ、意図した通りにコードを書いてくれるか、ガイダンスになる仕様を作ってそれをAIに提供しなくてはいけなくなった。ここで重要になるのが、ウォーターフォール型開発を避けることだ。ウォーターフォールには時間がかかりすぎるという欠点がある。この問題を解決するために登場したのがアジャイルアプローチで、MVP(Minimum Viable Product)からイテレーションサイクルを高速化し、少しずつ良くしていく。せっかくAIを使うのだから、ウォーターフォールアプローチのように、仕様を完璧なものにするべきではない。完璧主義に陥らないよう、イテレーションサイクルの中で継続的に仕様を良いものにしていきたい。

 良いニュースは、AIが良いフィードバックをくれることだ。エンジニアが闇雲に頑張らなくても、より良い仕様にする示唆を提供してくれる。一方、新しいベンダーが次々に参入しており、エコシステムが不安定なことは留意点だ。当面、特定のベンダーやモデルに固執することなく、ニーズに合わせた柔軟性を確保しておきたい。

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IDEの利用は激減へ 「何を作りたいか」の意図が起点に

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

 IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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