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オラクルDBにおけるパフォーマンス課題の解決を支援する「RESQ」とは?


日本ヒューレット・パッカードが発表した新ソリューション「RESQ」は、オラクル・データベースのパフォーマンス低下の要因を検証し、解決するものだ。その中核となるポイントは、HPとオラクルの30年に及ぶアライアンスによるナレッジの蓄積と、SSDよりも高速な半導体ディスクだろう。既存DBシステムのアプリケーションを変更することなく、ワンストップで提供される「RESQ」のサービスの概要と、その効果について、担当者に話を伺った。

診断とインフラ構築がセットのワンストップサービス

 2010年10月、日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は、オラクル・データベース向けのパフォーマンス課題の解決を支援するソリューション「RESQ(Response Quick)」を発表した。

 データセンター向けソリューションの開発やマーケティングを担当している日本HPの木村佳子氏は「RESQ」開発の背景に、ビジネスのグローバル化やM&Aによる企業の拡大、内部統制の強化などにより、企業の扱うデータが急増していることを挙げる。

木村 佳子 氏
日本ヒューレット・パッカード株式会社
テクノロジーサービス事業統括 
テクノロジーコンサルティング統括本部
ソリューションビジネス推進本部

 「お客様がサーバーやストレージを効率的に利用するために、IT統合を進める中で、私どももそのご支援をしています。ただ、システムの現状を把握せずに集約をしたり、移行してしまうと、統合後に様々な課題が出てきていることも少なくないようです」(木村氏)。

 DBやストレージ周りで、パフォーマンスの問題にきちんと対応するためには、インフラに関する専門知識やノウハウが欠かせない。その一方で、かけられるコストには制限があることから、多くの企業では対応に苦慮しているのが現実だ。そこで日本HPでは、低コストで短期間に導入可能なワンストップサービスを投入することにした。

 「RESQ」は、「クイック診断」と「DBインフラ構築」の2サービスで構成されている。まずクイック診断では、顧客のシステムの状況確認、パフォーマンス診断、ボトルネックの特定、改善方法の策定、提案を2つのフェーズで実施する。

 1次フェーズでは、OS側から見たリソース使用状況、オラクル側から見たリソース使用状況、オラクル・データベースの構成情報を確認。HPの解析ツール、Oracle Statspack, Oracle Enterprise Managerなどの管理ツールを活用することにより、ハードウェアレベルからデータベースにいたるまでの分析が可能となっている。

 木村氏は、ここでベースになるのが「HPとオラクルとの30年以上にわたる強固なアライアンス」だと強調する。経験豊かなエンジニアと高度なテクノロジー、Oracle GRID Centerによる国内での検証体制を生かして解析を実施。ボトルネックを特定し、そこから改善が見込まれる負荷軽減策を提案する。1次フェーズの目安期間は、顧客がパフォーマンス状況などのデータを所有していれば数週間、データ収集から始める場合は約1ヵ月となる。

 2次フェーズでは、1次フェーズの結果を踏まえて、ターゲット業務を特定し、入手した情報をさらに分析。遅延原因の報告と対応実施を支援する。本フェーズの所用期間はケース・バイ・ケースだが「HPにはナレッジが蓄積されているので、あらゆるケースに関して、ご相談に乗れる体制が整っている」(木村氏)という。

 かつては、アプリケーションを大きく改修することなくDBのパフォーマンス改善する有力な手法として、CPUの追加が有力な選択肢だったが、CPUのマルチコア化、スレッド機能などにより性能が上がり、ボトルネックとなるケースは少なくなっている。

 実際、日本HPで調査した結果では、CPUがボトルネックだったケースは1割にも満たない(図1)。4割以上と最多だったのがストレージI/Oで、残りは、設計上の問題によるパフォーマンス低下の原因だった。そこで、データベース処理高速化のポイントは、CPUリソースを有効に使う、というアプローチも重要なのだが、できるだけ待機時間を減らしていく努力が求められている(図2)。その中の要素として、ディスクI/Oを減らす、同期処理・待機時間減少のためのチューニング等が必要になってくる。

図1:マルチコア化とデータベースの性能
 
図2:データベース処理高速化のポイント

次ページへ続く

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半導体ディスクの導入で、最大10倍のパフォーマンス向上

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