「ITマネジメント」と「ITアーキテクチャ」
グローバルITガバナンスを構築するためには、ITマネジメントおよびITアーキテクチャの両方の視点からの取り組みが求められる。
ITマネジメントは、主に戦略・人・金といった要素に対する方針を明確にするものであり、管理手法や制度・ルールをどのレベルで統一し、どのレベルを個別の地域や法人の裁量に任せるのかを規定する。また、組織の役割や権限、報告やIT関連業務において管理すべき情報の共有および管理に関する方針もITマネジメントの要素となる。
一方、ITアーキテクチャは、主にモノ・情報(データ体系を含む)・技術といった要素に対する方針を明確にするものであり、標準や手法・体系をどのレベルで統一または共有し、どのレベルを個別対応または例外として許容するかを規定するものである。
グローバルITアーキテクチャを構築していくためには、最低限のグローバルITマネジメントが確立されていることが要件となる(図1)。