前回は、各国ごとの「グローバルIT」の捉え方の違いについて触れた。今回はグローバルITガバナンスの2つ要素として、ITマネジメントおよびITアーキテクチャという2つの視点から考えていこう。
「ITマネジメント」と「ITアーキテクチャ」
グローバルITガバナンスを構築するためには、ITマネジメントおよびITアーキテクチャの両方の視点からの取り組みが求められる。
ITマネジメントは、主に戦略・人・金といった要素に対する方針を明確にするものであり、管理手法や制度・ルールをどのレベルで統一し、どのレベルを個別の地域や法人の裁量に任せるのかを規定する。また、組織の役割や権限、報告やIT関連業務において管理すべき情報の共有および管理に関する方針もITマネジメントの要素となる。
一方、ITアーキテクチャは、主にモノ・情報(データ体系を含む)・技術といった要素に対する方針を明確にするものであり、標準や手法・体系をどのレベルで統一または共有し、どのレベルを個別対応または例外として許容するかを規定するものである。
グローバルITアーキテクチャを構築していくためには、最低限のグローバルITマネジメントが確立されていることが要件となる(図1)。

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内山 悟志()
株式会社アイ・ティ・アール 代表取締役 プリンシパル・アナリスト 大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年にデータクエスト・ジャパン株式会社に入社し、IT分野におけるシニア・アナリストを務める。1994年、情報技術研究所を設立し、(現:㈱アイ・ティ・アール)代表取締役に就任。同分野では...
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