Visual Studioとの連携で、効率的なRIA開発を実現するExpression Blend 4
WPFやSilverlightを利用したRIA開発では、XAML(eXtensive Application Markup Language)と呼ばれるXMLをベースとした言語でユーザーインターフェースを定義する。Visual Studio 2010では、ある程度XAMLを意識せずにUIをデザインすることも可能だが、動画やアニメーションなどを活用した複雑なUIではXAMLコードを大量に手書きする必要があり、効率が悪い。そこで、ロジックとUI部分の開発を分離して効率化を図るとともに、ユーザーエクスぺリエンスに優れたRIA開発を実現するために登場したのが、WPFおよびSilverlightアプリケーションのUI デザイン・設計に特化したツール「Expression Blend」だ。
2010年10 月にリリースされたExpression Blend 4 SP1では、Windows Phone 7向けのSilverlightアプリケーション開発もサポート。1つのツールで、RIA(Silverlightアプリケーション)、デスクトップ向け(WPFアプリケーション)、スマートフォン向け(Windows Phoneアプリケーション)など、それぞれの開発に対応可能となった。
大西氏はこれを「.NETテクノロジーを基盤とした開発プラットフォームだからこそのメリット」と強調する。例えば、普段Visual Studioを使用している開発者が初めてExpression Blendを使う際、最初は画面構成の違いなどに少々戸惑うかもしれないが、.NETFrameworkによる開発の勘どころは共通点も多いだろう。また、Expression BlendではVisual Studioと共通のソリューション・プロジェクトファイルを開くことが可能で、両者の高度な連携を実現している。その点についても、大西氏は実際の画面を見せながら説明した。
SketchFlowで詳細設計前にプロトタイプを容易に作成
続いて、MediaElementを使ったメディア(動画)再生やStoryboardによるキーフレームアニメーション作成、プロトタイプの作成など、Expression Blendの主要機能をデモを交えながら紹介。特に「SketchFlow」と呼ばれるツールを使ったプロトタイピングは特徴的であり、来場者の目を引いた。
SketchFlowでは、まさに「スケッチ」感覚で各画面のレイアウトや配置したいオブジェクトを描いたり、複数の画面を配置してそれらを引き出し線でつなぐだけでアプリケーションの画面遷移なども定義できる。これにより、詳細設計の前に、アプリケーションの動きを視覚的に確認することが可能となる。作成したプロトタイプは、Webブラウザのプラグインで動作するSketchFlow プレーヤーで閲覧可能な形式で出力されるため、レビュアー側には実行環境としてブラウザとSilverlightがあれば、すぐに確認することが可能だ(画面)。そして、SketchFlow プレーヤーの画面上に直接テキスト注釈やマークを書き込んで、フィードバックすればよい。
最後に大西氏は、Windows Phone 7向けSilverlightアプリケーション開発のデモも披露。Expression BlendでのUI開発から、Windows Phone 7デバイスをエミュレートしてPC上でのデバッグ、デバイスに転送して実行といった、ひととおりの開発過程を紹介した。
「Expression Blend 4に関心のある開発者の方は、試用版を用意しているのでぜひ利用してほしい。実践的なビデオチュートリアルなども順次作成していく。また、Windows Phone 7に関しても今後どんどん情報を発信していく予定なので、ご期待いただきたい」と語り、セッションを締めくくった。
画面:フィードバックの作成画面(左)と受け取った後の確認画面(右)
日本マイクロソフト株式会社
マイクロソフト カスタマー インフォメーション センター
TEL:0120-41-6755 (9:30 ~12:00、13:00 ~19:00 土日祝日、弊社指定休業日を除きます)