大容量データ処理に最適な最上位モデルを投入
5月17日におこなわれた会見では、代表取締役社長 吉川幸彦氏がDWH専業企業としての優位性を語った後、チーフ・テクノロジー・オフィサーのスティーブン・ブロブスト氏が登場。最新機種の位置づけと特色を発表した。
かつてはITは、生産性と効率を高めるためのものだったが、今ではデータは単なるプロセス向上のための副産物だけではなく、ビジネスそのものを生み出す原材料になりつつある。ブロブスト氏が強調したのは、各種のセンサーやシステム、人、すべてのものの動きや活動から発生する「モノのインターネット」である。クラウド、モバイル、アプリ、ソーシャル・ネットワークが生み出す大量のデータを分析する時代であるとし、「グーグルはインターネットの社会に検索技術で大きな変革を生み出したが、プラスアルファの価値を生み出すための、分析による可能性はまだまだこれから。そしてこの時代にテラデータは優位な位置にある」と語った。
「ビッグデータ」の分析と管理が重要となる時代を見据えて投入された今回の新機種の特色は何か。それは「ホットデータとコールドデータの移動の自動化」であるという。
ハイブッド型ストレージでデータの移動の自動化を追求
最も頻繁に使用されるものをホット、頻繁にはアクセスしないものをコールドと定義すると、企業の保有するデータの25%がホット、残りの75%がコールドであるという。そして、ホットデータをメモリやSSDに移し、コールドデータを安価なハードディスクに格納するハイブリッドな構成が有効である。鍵は、HDDとSSDのデータの移動を自動化することであるという。
Teradata Active EDW 6680は、ハイパフォーマンスなSSDと大容量HDDのハイブリッド型ストレージに、Teradata Virtual Storage(TVS)を組み合わせたもの、Teradata Active EDW 6650はHDDのみで構成し、将来的にSSDを追加してハイブリッド型にアップデートできるというモデルである。
「重要なのはSSDをキャッシュとしてではなく、ファイルシステムとして使用すること。SSDをキャッシュとして使うのはOLTPにはむくが、大量データの分析には不十分」(スティーブン・ブロブスト氏)と強調した。
続いてプロダクト・マーケティング&マネジメント部部長 丹隆之氏が6680/6650の技術特性を紹介。Teradata Virtual Strage(TVS)は、ストレージの集合を仮想化し、単一のプールをみなすことで様々な種類のストレージを混在させることができる。SSDとHDD間のデータ移動は、データをロードした際の初期温度(使用頻度によるHot/Warm/Cold)設定によって、インテリジェントに自動配置する。また、TVSのモニター機能により、システムの稼働状況やデータの温度、詳細な使用状況を監視できる。6650については、過去6世代のTeradata Active EDWモデルとの同一システムでの共存が可能であるという。
金融分野などDWHの世界では圧倒的な強さを持つテラデータだが、今回の発表でスピードと大容量データ処理の両立を実現し、さらに競争力を高めたといえる。