Azure、Office 365、Dynamics、Windows Phone/部門トップがコミットするMicrosoftのクラウド戦略/WPC 2011レポート
Dynamicsは「Dyamics CRM Online」
に注力3人目のスピーカーとして登場したのはDynamicsビジネスを統括するKirill Tatarinov氏。
ERP、BI、CRMなどのポートフォリオを抱えるDynamics製品群の中で、Microsoftが昨今もっとも力を入れているのが顧客管理アプリケーションのクラウド版である「Dyamics CRM Online」だ。Salesforce.comやOracleのSiebel Onlineなど、強力なライバルが存在する市場だが、Tatarinov氏は「Dynamicsの成長率は競合をはるかに上回る」と語り、シェア拡大に大きな自信を見せる。

Dynamicsの最大の競合優位点は、当然ながら他のMicrosoft製品との親和性の高さだ。とくにクラウドの重要性が増す今後は、Windows AzureおよびOffice 365との連携がDynamicsのシェア拡大に大きく影響してくると思われる。Tatarinov氏はこの点について、聴衆のパートナーに向かい、「Windows Azure/Office 365とDynamicsの組み合わせは顧客のビジネスの生産性を最大に高め、成長に大きく貢献するはずだ。最高のクラウドエクスペリエンスを顧客に届けよう」と訴える。
セッションではDynamcisに関する2つのアナウンスがTatarinov氏より行われた。ひとつは2011年第4四半期にDynamics CRM Onlineのアップデート提供が行われること。もうひとつは「Microsoft Dynamics ERP RapidStart Services」の提供開始だ。
これはERP製品のDynamics AX 2012をWindows Azureで構築されたクラウドプラットフォーム上でデプロイする作業を支援するサービスを9月に開始するというものだ。"RapidStart"という言葉通り、このサービスを利用することでパートナーは環境構築に手間をかけることなく、AX上で動くプロダクトの開発にフォーカスすることが可能になる。
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五味明子(ゴミ アキコ)
IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。
Twitter(@g3akk)や自身のブログでITニュース...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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