Azure、Office 365、Dynamics、Windows Phone/部門トップがコミットするMicrosoftのクラウド戦略/WPC 2011レポート
クラウドではつねに"挑戦者"で
2日目のキーノート最後の登壇となったのはOEM部門のバイスプレジデントであるSteve Guggenheime氏。時間がおしていたせいか、壇上に並べられた各社のさまざまな端末を急ピッチで紹介していくというややあわただしいプレゼンテーションとなった。クラウドビジネスと直接関係のある話は少なかったので、詳細な紹介は割愛したい。

各部門トップのプレゼンで共通していたのは、どのソリューションもオンプレミスを含む他のMicrosoft製品と密接に連携でき、そしてライバル製品と比較していかに優れているかを強調していたことだ。
だが、30年に渡って同社が築いてきた膨大なオンプレミスの資産は、クラウドビジネスを展開する上で最大の強みであると同時に、弱みにもなり得る。オンプレミスのシステムと連携しつつ、クラウドへの移行を進めていくという現在の同社の戦略は、最初からクラウドありきでスタートしているGoogleやSalesforce.com、Amazonなどに比較して、ある意味、身動きがとりにくい。つまりクラウドビジネスではイノベーションを起こしにくく、つねに挑戦者として競合に立ち向かっていかなければならない立場にあることを意味している。
その状況を吉と変えるためにはやはりパートナーとの戦略的提携が不可欠になる。クラウドをビジネスのメインに据えるという宣言で始まったMicrosoftの2012年度だが、これまで以上にパートナーとの関係が問われる1年となることは間違いない。

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五味明子(ゴミ アキコ)
IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。
Twitter(@g3akk)や自身のブログでITニュース...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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